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FBIがウィスコンシン州の裁判官を逮捕、移民の拘束を妨害した疑い

FBIがウィスコンシン州の裁判官を逮捕、移民の拘束を妨害した疑い
X_Qasim Rashid, Esq

トランプ政権は、司法との対立を深めており、ついにウィスコンシン州の裁判官が逮捕される事態となった。

 

裁判所で判事を逮捕

 

FBI(連邦捜査局)は4月25日、ウィスコンシン州ミルウォーキーにある裁判所で、ハンナ・デュガン郡巡回裁判官を逮捕した。

 

FBIによれば、移民関税執行局の捜査員が、別件で裁判を受けていた移民の男性を逮捕しようとしていた時、ハンナ・デュガン裁判官は男性の逃走を手助けしたという。

 

トランプ大統領が任命したFBI長官のカシュ・パテル氏は、「X」に次のように投稿した。

 

「我々は、デュガン判事が、裁判所にいた不法移民のEduardo Flores Ruiz容疑者を逮捕させまいとして、故意に連邦職員を別の場所へ導いたと考えている」

 

しかしそれから間もなく、何故か、この投稿は削除された。デュガン判事は25日の午前8時30分に職務妨害の容疑で逮捕されたが、その日の夜には釈放されている。

 

難民や低所得者層を支援してきた判事

 

この日、裁判所の外には群衆が集まり、「今すぐ裁判官を釈放せよ」と叫んだという。

 

デュガン判事は、2016年に初めて郡判事に選出され、それ以前は、難民再定住プログラムを提供するカトリック慈善団体の地方支部の責任者を務めていたという。

 

また彼女は以前、低所得者を支援するミルウォーキー法律扶助協会の弁護士だったと言われている。

 

トランプ氏は、バイデン政権時に認められた移民に対する保護資格を停止し、移民関税執行局の捜査員が強引に彼らを拘束。適正な手続きをせずに、国外への強制送還を行っている。

 

このため今回、デュガン判事は、裁判所に踏み込んで強制的に移民を逮捕しようとする移民関税執行局に対し、抵抗したと考えられている。

 

移民関税執行局を武器として使用

 

デュガン判事の弁護士は声明において、「ハンナ・C・デュガン氏は、弁護士および裁判官としてのキャリア全体を通じて、法の支配と適正手続きの原則に尽力してきました」と述べた。

 

ミルウォーキー市議会は逮捕を受けて、次のような声明を発表した。

 

「ハンナ・デュガン判事が連邦当局に逮捕されたという今朝のニュースは、衝撃的で心を痛めています。(略)おそらく、デュガン判事の逮捕で最も恐ろしいのは、ワシントンD.C.のトランプ政権が移民コミュニティに対して、移民関税執行局(ICE)などの連邦法執行機関を武器として利用し続けていることです」

 

ウィスコンシン州選出の民主党上院議員、タミー・ボールドウィン氏は「現職判事の逮捕は行政権と司法権の分立を脅かす、極めて重大かつ過激な動きだ。誤解するな。この国には王様はおらず、誰もが従わなければならない法律によって統治される民主主義国家だ」と発言した。

 

また民主党のバーニー・サンダース上院議員も、声明で「はっきりさせておきたい。トランプ氏によるミルウォーキーのデュガン判事の逮捕は、移民問題とは全く関係ない。すべては(トランプ氏が)この国を権威主義へと向かわせようとしていることと関係がある」と述べたという。(了)

 

出典元:The Guardian:FBI arrests Wisconsin judge and accuses her of obstructing immigration officials(4/25)

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