「ハマス」とイスラエルの停戦交渉が3日目に突入、ガザ地区では8人が死亡

エジプトのリゾート地、シャルム・エル・シェイクで、ガザ地区での停戦を巡り、「ハマス」とイスラエルによる3日目の間接交渉が進められている。
アメリカやカタールの高官らも参加
アメリカのトランプ大統領が提示した「20項目の和平計画」の詳細を最終決定するため、すでに中東特使スティーブ・ウィトコフ氏と、トランプ氏の義理の息子で中東問題担当顧問のジャレッド・クシュナー氏が、間接協議に加わったという。
またこの交渉には、カタールのアル・サーニー首相や、トルコ及びエジプトの諜報機関のトップも加わったそうだ。
カタールやトルコなどの参加について、「ハマス」は声明で、「彼らが交渉に、停戦と人質交換に向けた前向きな成果を達成する、強い推進力を与えている。彼らの参加は、ネタニヤフ首相が攻撃を継続し、交渉を妨害する余地を狭める」と述べた。
また「ハマス」側は、「交渉は、紛争終結の実施のメカニズム、ガザ地区からのイスラエル占領軍の撤退、そして人質の交換に焦点が当てられた」とし、「停戦実施に向けたあらゆる障害を取り除くために、多大な努力を払っており、全員の間に楽観的な雰囲気が広がっている」との見方を示した。
エジプトのエルシーシ大統領も、「ハマス」とイスラエルの間接交渉から得られたメッセージは、「非常に勇気づけられる」ものだと述べたという。
トランプ大統領は、「20項目の和平計画」を合意させたいと望んでいるようだが、イスラエルのネタニヤフ首相は、基本的に和平案を推進することに関心がなく、ガザ地区での長期的な平和より、自分の政治的な生き残りを重視しているとの見方も出ている。
住宅や公共施設などを破壊
一方、ガザ地区では、停戦交渉が進められる中、イスラエル軍が市街地に残るインフラを組織的に破壊することを目的とした攻撃を激化させており、住宅や公共施設、そして地域全体を破壊しているという。
実際、イスラエル軍は、爆発物を搭載した遠隔操作のロボットや、空爆や重砲も使用して、密集した住宅街を破壊。戦闘機は市中心部の広い大通りや高層ビル群を標的とし、北部のガザ市の大部分が瓦礫と化しているそうだ。
10月8日には、ガザ市のサブラ地区で、イスラエル軍が複数のロボットを爆発させ、建物などが被害を受けたという。
またガザ地区南部のラファにある配給センター付近では、イスラエル軍が支援物資を待つ人々に向けて発砲。少なくとも1人のパレスチナ人が死亡し、数人が負傷した。
ガザ地区の保健当局によれば、10月8日には過去24時間で、イスラエル軍の攻撃により、少なくとも8人のパレスチナ人が死亡、61人が負傷したという。
さらに保健当局は、以前のイスラエル軍の攻撃で死亡したとみられる、2人のパレスチナ人の遺体が、瓦礫の中から発見されたと伝えている。
イスラエル海軍が新たな船団を拿捕
イスラエル海軍は、ガザ地区へ支援物資を届けようとしていた新たな船団を、地中海で拿捕した。
「自由船団連合」によると、約30カ国からの約150人の活動家を乗せた9隻の船舶が、10月8日早朝、ガザ地区沖約220kmの地点で、再びイスラエル海軍によって拿捕されたという。
イスラエル外務省もSNSの「X」で、船舶の拿捕を認め、「合法的(実際は公海上のため違法)な海上封鎖を突破して、戦闘地域に侵入しようとする試みは、またしても無駄に終わった」と投稿し、船舶と乗客がイスラエルの港に移送され、「乗客は速やかに国外追放される見込みだ」と述べた。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Crucial ceasefire talks under way in Egypt as Israel kills 8 in Gaza(10/8)