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ネタニヤフ首相、ガザ地区への「強力な攻撃」を指示、北部で大規模な空爆を再開

ネタニヤフ首相、ガザ地区への「強力な攻撃」を指示、北部で大規模な空爆を再開
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イスラエルのネタニヤフ首相は10月28日、ガザ地区に対し攻撃を行うよう、軍に命じた。

 

ガザ市の複数地点にミサイルが着弾

 

この命令に先立ち、イスラエルのメディアはガザ地区南部のラファで、イスラエル軍の兵士が銃撃されたと報じており、その後、ネタニヤフ首相は「ハマス」が停戦に違反したと主張し、ガザ地区への「強力な攻撃」を行うよう命じたという。

 

ガザ地区ではすでにイスラエル軍の攻撃が確認されており、特に北部のガザ市では複数地点にミサイルが撃ち込まれたという。

 

ミサイルの1発は、ガザ市にあるアル・シファ病院付近に落下。この攻撃により、病院内の患者と医療スタッフは、混乱とパニックに陥ったそうだ。

 

またガザ市のサブラ地区にある住宅も、イスラエル軍により空爆され、ガザ市西部のシャティ難民キャンプにもミサイルが着弾したという。

 

さらにガザ地区中部のDeir el-Balahでも、イスラエル軍の戦車による砲撃が行われたとの報告が上がっている。

 

ガザ地区の民間防衛隊によれば、現時点で犠牲者の数ははっきりしていないが、ガザ市南部へのイスラエル軍の攻撃で、2人の死亡が確認され、4人が負傷したという。

 

「ハマス」は銃撃事件への関与を否定

 

イスラエルのカッツ国防相は声明で、「ハマスはガザ地区のイスラエル兵士への攻撃と、人質の遺体返還合意違反に対し、大きな代償を払うことになるだろう」と述べた。

 

またカッツ国防相は、「ハマス」による攻撃は「明確な一線を越えたものであり、(軍は)これに対し強大な力で対応する」と語った。

 

一方、「ハマス」側は、ガザ地区南部のラファで発生したとされる銃撃事件への関与を一切否定し、停戦合意を順守していると主張。

 

またイスラエル人の遺体の引き渡しについても、「隠蔽したり遅らせたりする意図はない」とし、遺体収容において「大きな困難」に直面していると述べ、収容作業を支援する重機の提供を改めて求めた。

 

その上で今回のイスラエル軍の攻撃について、「トランプ大統領の支援の下、シャルム・エル・シェイクで調印された停戦合意の明白な違反である」と非難した。

 

イスラエル側も数多くの停戦違反

 

まだ現時点で、ガザ地区南部のラファでどのような攻撃を、イスラエル軍が受けたのかは、明らかにされていない。

 

また「ハマス」はこれまでに28人の人質の遺体のうち15人(16人目は確認中)の遺体を返還しており、先日、エジプトから重機がガザ地区へ搬入され、遺体の捜索が続けられている。

 

イスラエル側は遺体の返還に時間がかかっていることに不満を持っているようだが、遺体の捜索に時間がかかることは、アメリカ政府も理解を示してきた。

 

一方、イスラエル側は停戦合意後も、ガザ地区への人道支援物資の搬入を制限しており、南部のラファの国境検問所も閉鎖し続けている。

 

ガザ地区のメディア局によれば、イスラエル軍は10月10日の停戦発効以来、パレスチナ人94人の殺害を含む125件の停戦違反を犯しているという。

 

ネタニヤフ首相を含めたイスラエルの極右閣僚らは、そもそもトランプ大統領による和平計画に反対しており、何らかの口実を見つけては停戦を破棄し、再びガザ地区へ攻撃を行うと予想されていた。

 

ちなみに10月28日には、ネタニヤフ首相の汚職裁判の公判が開かれていたが、その後「安全保障上の対応」に迫られたと首相が要請し、予定より数時間早く終了したという。

 

今回のイスラエル軍の攻撃で、トランプ政権がどのような対応をとるのか、またはトルコやエジプト、カタールがどのような行動を取るか、注目が集まっている。(了)

 

出典元:Aljazeera:LIVE: Israel’s PM Netanyahu orders ‘powerful, immediate’ attacks on Gaza(10/28)

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