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なぜ新型コロナへの感染で、嗅覚が失われるのか?米研究機関が調査

なぜ新型コロナへの感染で、嗅覚が失われるのか?米研究機関が調査
flickr_NIAID

アメリカの研究機関において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染により、嗅覚が失われる理由を探る研究が行われた。

 

数カ月から数年間、嗅覚障害の人も

 

その研究を行ったのは、ノースカロライナ州にある機関「Duke Health」を中心とする研究チームだ。

 

そもそも新型コロナに感染して、典型的に見られる症状の1つは、嗅覚の喪失と言われている。もっとも感染後に嗅覚が変化した人の多くは、その後1~2週間以内に嗅覚を取り戻しているという。

 

しかし人によっては、数カ月から数年間、持続的な嗅覚障害を持つ場合もあるそうだ。

 

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嗅覚障害に苦しむ人からサンプルを採取

 

そこで今回、デューク大学、ハーバード大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、まず新型コロナ感染後に長期的な嗅覚障害に苦しむ9人の患者を含む、24の生検から採取した嗅上皮の粘膜のサンプルを分析したという。

 

そして高度な細胞分析を行った結果、嗅覚神経細胞が存在する嗅上皮に、炎症反応を引き起こすT細胞が広範囲に浸潤し、炎症していることが明らかになったそうだ。

 

しかもこの独特の炎症過程は、SARS-CoV-2が検出されないにもかかわらず、持続していたという。

 

さらに嗅覚神経細胞の数は減少しており、おそらくこれは、進行中の炎症によって繊細な組織が傷ついたことが原因だと考えられている。

 

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ニューロンが修復能力を維持

 

もっとも今回の研究は、まだ終わった訳ではない。現在も引き続き行われているという。

 

研究に携わったデューク大学のブラッドリー・ゴールドスタイン医学博士は、次のように述べている。

 

「(今後)どの部位が損傷を受けて、どのような細胞タイプが関与しているかを知ることは、治療法の設計を始めるための重要なステップです」

 

その一方で、勇気づけられる結果も得られたようだ。それは長期にわたる免疫の猛攻撃を受けた後でも、ニューロン(神経細胞)がある程度の修復能力を維持しているように見えたこと。

 

これにより研究者たちは、鼻の中の異常な免疫反応や修復過程を調節することで、少なくとも部分的にでも嗅覚を取り戻すことができるのではないか、と期待している。

 

今回の発見は、新型コロナの他の症状、例えば全身倦怠感、息切れなどにも光を当てることになり、同様のメカニズムが引き金になっている可能性があるという。(了)

 

出典元:Duke Health:Scientists Find Key Reason Why Loss of Smell Occurs in Long COVID-19(12/21)

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