仏の「黄色いベスト運動」での暴力に反対し、「赤いスカーフ」がデモ行進
フランスで繰り広げられてきた「黄色いベスト運動」。これに対抗するためのデモが、パリで行われた。
街での暴力を止めるよう訴える
そのデモに参加した人々は自らのことを「赤いスカーフ(foulards rouges)」と呼んでおり、「黄色いベスト運動」での暴力をやめさせるため、1月27日の日曜日にパリの街を行進したという。
「黄色いベスト運動」は燃料税の引き上げ反対をきっかけに、現在では格差の問題や生活苦を是正できないマクロン政権を批判する運動となっている。
そして街では毎週、デモ参加者と治安部隊が衝突。これまでも歴史的な建造物や店などが破壊されるなど暴力行為が繰り広げられ、道路も封鎖されるなどして、1968年以来最悪の事態になっているそうだ。
#MarchesRépublicaineDesLibertés – @BFMTV @LCI @CNEWS @franceinfo pic.twitter.com/84uEgEOQzy
— Les Foulards Rouges Officiel (@FoulardsRougesO) January 27, 2019
FBでは2万1000人のフォロワー
このような暴力行為に対抗するため、「赤いスカーフ」が組織され、現在フェイスブックでは約2万1000人のフォロワーが集まっているという。
そして1月27日の日曜日には、1万人以上がデモ行進に参加し、暴力を止めるよう呼びかけたとされている。「赤いスカーフ」の広報官であるAlex Brun氏は、次のように語っている。
「人々は道路封鎖に飽き飽きしているのです。それらはビジネスにも悪い影響を与えています。子供達が時間に間に合うように学校へ到着するのを妨げているのです」
また日曜日の集会に先駆け、「赤いスカーフ」は同じ考えを持っているグループとともに共同声明を発表。次のように述べている。
「私たちは黄色いベストによって引き起こされた反乱の風潮を強く非難します。アンチ黄色いベストの人々に対する、脅迫や言葉の暴力も拒否します」
#MarcheRépublicainedesLibertés c’est ça marcher dans le calme et dans la non-violence. pic.twitter.com/LxMc2gszV3
— Les Foulards Rouges Officiel (@FoulardsRougesO) January 27, 2019
すでに意見の違いが表面化
しかしフランスのメディアによれば、すでに「赤いスカーフ」の内部では、マクロン政権を支持するかどうかについて、意見が分かれているという。
実際、日曜日に集会を主催した団体の1つ「Laurent Soulié」は、フェイスブックで人々にマクロン大統領を支持するよう求めたそうだ。
一方、広報官のBrun氏は「赤いスカーフ」が非政治的な市民運動だと明言。「黄色いベストによって引き起こされた問題を解決する最も良い方法は、マクロン大統領が行っている全国的なディベート(Grand Debate)に参加することだ」と述べている。
さらにいくつかのグループのリーダーは、メンバーらに日曜日のデモには参加しないよう促していたという。
ただ黄色いベスト運動の勢いも陰りが見えているようで、先週末に行われたデモではフランス全土で6万9000人が参加したが、これは前の週に比べ1万5000人少ないとされている。(了)
出典元:BBC:‘Red scarves’ march in Paris against yellow-vest violence(1/27)
出典元:TIME:Violent Yellow Vest Demonstrations in Paris Lead to ‘Red Scarves’ Counter-Protest(1/27)