NZの議会が安楽死の法案を可決、来年に国民投票を実施へ
ニュージーランドの議会は、安楽死を合法化する法案を可決し、これに関し来年国民投票を行うこととなった。
余命6カ月の人が死を選べる
安楽死を合法化する法案は、不治の病にかかり残り6カ月(未満)も生きられない人々に対し、2人の医師からの同意が得られれば、幇助による死を選べるというもの。
この法案は過去数年に渡り、議会で白熱した議論が繰り返された末、先日賛成69、反対51で可決された。
安楽死に関する改革への呼びかけについては、ジャシンダ・アーダーン首相も支援していたと言われている。
国民の72%が支持
最近の世論調査では、ニュージーランド国民の72%が、幇助による安楽死について賛成しているという。
この法案は「End of Life Choice Bill」と呼ばれ、2017年以降8度も議会で議論が繰り返され、一般からも3万9000通もの投書があったそうだ。
さらに合法化するためには、法案の中身や成立手続きに変更が行われることになる。
New Zealand's parliament votes in favour of legalising euthanasia, paving way for national referendum on issue next year https://t.co/Prg11xPIRQ
— BBC News (World) (@BBCWorld) November 13, 2019
国民投票が賛成の条件だった
今回可決した法案では「6カ月(未満)も生きられない人々」となっているが、以前は「不治の病に冒され、病状が深刻な人」も含まれていたという。しかしそれは外されたそうだ。
またもう1つの大きな変更とは、国民投票を行うというもの。これはポピュリスト政党「New Zealand First Party」が要求したことで、彼らは国民の判断を仰がなければ、安楽死法案には反対すると主張していたという。
この結果、議会で法案は可決したものの、最終的には来年の国民投票によって採決されることとなった。
現在では支持が広がっている安楽死の法案だが、いまだに根強い反対意見もあるようだ。
実際、国会議員が議会で投票を行った時、議会前では法案に反対する人々が「私たちを死なすためではなく、生かすために支援しろ!」や「安楽死は解決策にはならない」と書かれたプラカードを掲げ、抗議したという。
この国民投票は、2020年に行われる総選挙に合わせて実施される予定だ。(了)
出典元:BBC:New Zealand to hold referendum on euthanasia(11/13)
出典元:The Guardian:New Zealand to vote in referendum on euthanasia(11/13)