トランプ大統領、WHOが中国寄りだと批判、資金拠出を停止すると発表
アメリカのトランプ大統領が、世界保健機関(WHO)への資金拠出を止める計画だと発表した。
資金拠出を停止する考えを示す
4月7日、トランプ大統領は新型コロナウイルスの取り組みに関して、WHOが中国寄りの対策をとったと非難。
1カ月早く感染拡大について世界に警告できたはずだと主張した。そして今後は、WHOに対する資金拠出を止める(控える)考えを示したという。
「彼らは早くから情報を知っていた」
そもそもWHOはアメリカから5800万ドル(63億円)の資金を受け取っており、その上でトランプ大統領は次のように述べている。
「WHOはアメリカから巨額の資金を受け取っている。私たちは、彼らの資金の最も多くの割合を支払っている。彼らは多くのことについて、これまでずっと過ちを犯してきた。彼らは早い段階で、多くの(新型コロナウイルスに関する)情報を得ていた。しかしWHOは情報を伝えなかった。彼らはとても中国中心に見える。そう言われるのが、妥当だろう。WHOは警戒への呼びかけをしなかった。彼らは1カ月も早く、警戒を呼びかけられたはずだ。WHOは知ることができた。おそらく知っていた。私たちはWHOに費やすお金を強力に差し止めるつもりだ」
情報機関も中国での死者に疑問
そもそもWHOのテドロス事務局長は、トランプ大統領が2月に過去14日間中国に滞在した外国人の入国を拒否したことについて、懸念を表明していたという。
一方、アメリカの諜報機関は、中国共産党が新型コロナウイルスに感染した人数や、死亡した人数について、大幅に少なく報告していた可能性があると指摘している。
実際、中国政府は現在も新型コロナで死亡した人は3000人以上としているが、米諜報機関は少なくとも中国での死者は4万人以上に上ると見ている。
さらにWHOの健康緊急プログラム・エグゼクティブディレクターであるMichael Ryan氏も、中国が新型コロナウイルスに適切に対処したと述べる一方で、「私たちは透明性に関しては、明らかな欠如があるとみている」と語っている。
ただ、トランプ大統領が批判を強める背景には、自らの初動の遅れに対する批判をかわすねらいもあるのではないか、という見方も出ているそうだ。(了)
出典元:METRO:Donald Trump vows to starve WHO of cash for being too cosy with China over coronavirus pandemic(4/7)
出典元:The New York Times:Trump Attacks W.H.O. and Ousts Watchdog for Pandemic Fund(4/8)