ミャンマーの国連大使が総会で勇気ある演説、国際社会に軍の排除を訴える
ミャンマーの国連大使が、世界に対してクーデターを起こした軍を排除するよう求め、その後解任された。
「国際社会からの行動を必要としている」
そのミャンマーの国連大使とは、Kyaw Moe Tun氏だ。
彼は2月26日に開かれた国連総会に出席。演説において、民主主義を取り戻すためにミャンマー軍に対するあらゆる必要な行動を起こすよう、国際社会に求め、次のように述べた。
「私たちは、ただちに軍によるクーデターを終わらせるため、無実の人々への抑圧をやめさせるため、国家権力を人々に返すため、民主主義を回復させるために、国際社会からの最も強力なアクションを必要としています」
その後、Kyaw Moe Tun国連大使は、軍事クーデターに反対する象徴的なジェスチャー、3本指を突き立てたという。
Myanmar state TV said UN Ambassador Kyaw Moe Tun had been fired for betraying the country, but the junta has not been recognised by the world body as Myanmar’s government #WhatsHappeningInMyanmar pic.twitter.com/pZxttFKxU0
— Matthew Tostevin (@TostevinM) February 27, 2021
翌日、軍は大使を解任
Kyaw Moe Tun国連大使の演説は、総会においても拍手で迎えられ、アメリカの代表であるLinda Thomas-Greenfield国連大使も、彼の発言を「勇気」あるものだと称えたそうだ。
しかしその翌日、27日にはミャンマーの国営放送は、Kyaw Moe Tun大使が軍によって解任されたと報じた。
その報道では、Kyaw Moe Tun国連大使が国家を裏切り、大使としての責任や権力を乱用したと伝えたそうだ。
しかし国連の関係者はReutersに対し、軍事政権を新しいミャンマー政府と公式に認めておらず、いまだにKyaw Moe Tun氏がミャンマーの国連大使の地位にあるとみなしている、と述べている。
また別の公式声明においても、国連のスポークスマンであるStephane Dujarric氏は「ニューヨークの国連でのミャンマー代表の変更に関する連絡を、私たちは受けていない」と語ったという。
ミャンマーでは2月28日にも抗議デモが行われ、治安部隊による発砲で、少なくとも18人が死亡したと言われている。(了)
出典元:BBC:Myanmar coup: UN ambassador fired after anti-army speech(2/28)