米政府がミャンマー軍の資金源を断つため、国営宝石企業に制裁を発動
アメリカ財務省は、ミャンマーの宝石企業に対し、制裁を発動すると発表した。
鍵となるミャンマー軍の資金源
アメリカ財務省は先日、ミャンマーの宝石公社(MGE)が軍事政権の、鍵となる経済的資源になっていると指摘。
軍事政権の資金源を断つために、国営の宝石公社に対して制裁を発動すると発表した。
この制裁により、天然資源環境保護省の下で運営されている国営企業の事業体とアメリカ人との取引を、阻止することになるという。アメリカの財務省外国資産管理局の局長であるAndrea Gacki氏は、声明で次のように述べている。
「今回の行動は、主要な国営の企業も含め、ミャンマー軍の資金源を拒否する、財務省の関与を強調しています」
歳入の半分を生み出す国営企業
ミャンマーは翡翠の主要産地とされ、またルビーやサファイア、その他の宝石を多く産出しているという。
また2019年に発表された国連の報告でも、MGEがミャンマーの経済に支配的な役割を果たしている多くの国営企業の1つであり、国営企業は国家の歳入の半分を生み出し、そのうちの半分が政府予算として費やされていることが示された。
しかもMGEは、ミャンマーのほとんどの翡翠と宝石産業を監督し、各部門のライセンス供与と規制、ロイヤルティの徴収、翡翠と宝石の販売を担当しており、その指導部はほとんどが、前の軍事政権の指導者で構成されているそうだ。
2014年では翡翠を1万トン以上も産出
2014年におけるグローバル・ウィットネスからの以前の報告では、ミャンマーでの翡翠の産出量は1万6684トンに及び、その価値は310億ドルになると見積もられている。
また2018年からの統計では、その後翡翠の生産量が約2倍になっていることが示されていたという。
アメリカはすでにミャンマーの3つの宝石企業に制裁をかけているが、それらは軍事政権と繋がっていると言われている。
現在、ミャンマーでは軍の治安部隊がデモ参加者に暴力を強めており、約600人の民間人が殺害され、数千人が逮捕されているという。(了)
出典元:BBC:Myanmar: US hits state-owned gem company with sanctions(4/9)