米下院議長、ウイグル人弾圧は「ジェノサイド」、各国首脳に北京五輪への欠席を要請
アメリカのナンシー・ペロシ下院議長が、2022年に行われる予定の北京オリンピックに出席しないよう、各国首脳に呼びかけた。
外交的ボイコットを呼びかける
ペロシ下院議長は5月18日、米国下院の「トム・ラントス人権委員会」と中国に関する議会執行委員会の合同ビデオ公聴会に出席。
その席で「中国で開催されるオリンピックに何の問題もないかのように、進めることはできない」と語った。
その際、新疆ウイグル自治区で起きている迫害を、中国政府による「ジェノサイド(民族浄化・大量虐殺)」だと言い、北京オリンピックを、外交的にボイコットするよう呼びかけた。
外交的ボイコットとは、選手はオリンピックに参加するが、国の代表は出席しないというものらしい。
ペロシ議長は、世界のリーダーに対して、北京オリンピックに出席しないよう求め、「席に座っている間にも、ジェノサイドが行われているから」「沈黙は許しがたい」と述べた。
中国政府の行いを「犯罪」と断罪
北京オリンピックは、2022年2月4日に開催される予定だが、人権団体は昨年、IOC(国際オリンピック委員会)の委員と何度も会合を持ち、このオリンピックを中国で開催させないよう求めてきたという。
また先週、人権活動団体とアメリカやイギリス、ドイツなどが率いた欧米諸国は、中国政府が新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル人に対して、大規模な犯罪を行っていると非難。国連の専門家が現場にアクセスするのを制限しないよう要求した。
今回の人権委員会の共同議長であるニュージャージー州選出のクリス・スミス議員は、公聴会の冒頭で「IOCと米国を含むすべての関係者は、新しい開催地を見つけるか、ボイコットをするべきだ」と訴えたという。
また「北京にオリンピック開催地としての地位を与えることは、野蛮な政権に栄誉を与えることであり、彼らの虐待や大量虐殺を非難すべきである」と主張した。
ただIOCや米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は、公聴会に招待されていたにもかかわらず出席せず、USOPCのCEOであるSarah Hirshland氏も、開催地変更に難色を示す手紙を提出したそうだ。(了)
出典元:ABC News:House Speaker Pelosi backs 2022 Olympics diplomatic boycott(5/19)