【イギリス】光熱費が「賃金上昇より10倍速く」増え続けるとの予想
日本でも5月から電気・ガス料金がまた値上げされる。人々からは嘆きの声が上がっているが、イギリスと比べると少しはマシなようだ。イギリスでは、今後1年間、賃金上昇の少なくとも10倍のスピードで光熱費が上がり続けるという見方が出ている。
4月1日からいきなり、光熱費50%以上アップ
現在、エネルギー価格が世界的に上昇しているが、その痛手をもろに受けている国の1つがイギリスだろう。
同国では4月1日から一斉に光熱費が上がった。その上がり幅はなんと50%超。「人々の記憶に残っている中で、今回が最も大きな家計への痛手」とイギリスメディアは報じている。
具体的には、銀行引き落としで契約している消費者の場合、これまで年間の上限額が1277ポンド(約20万5000円)だったのが、今回の値上げで1971ポンド(約31万7000円)になった。
先払い契約(後で差額が精算される)の場合、これまで1309ポンド(約21万円)だった年間上限額が、708ポンド(約11万4000円)引き上げられ、2017ポンド(約32万4000円)になった。
「光熱費が、賃金より10倍速く上昇」
メディアによれば、イギリスの労働組合「Trades Union Congress(労働組合会議)」が、独自の調査分析結果を発表した。それによると、「今年、光熱費は賃金より少なくとも10倍速く上昇する」と予想される。
基になったデータや計算式は不明だが、もしこの通りになれば、どれだけ賃金が上がっても、光熱費が家計をますます圧迫し続けることになる。
労働組合会議のFrances O’Grady書記長はこの状況を「生活水準の危機であり」、「高騰する生活費とインフレで、すでに何百万もの家庭が限界点に来ている」と言い、今後を憂えている。
日本でも物価がジワジワと上がっており、ロシアに対する経済制裁の影響で、エネルギー価格もさらに上がりそうだ。今はイギリスほどでないにせよ、これから大丈夫なのだろうか……(了)
出典元:Metro:Brutal energy bills kick in today – and will keep rising ’10 times faster than wages’(4/1)
出典元:Harrow Times:Emergency budget needed to tackle cost-of-living crisis, says TUC(4/1)