ロシア政府、ポーランドとブルガリアにガスの供給停止を通告
ロシア政府は4月27日から、ポーランドとブルガリアに対し、天然ガスの供給を停止すると通告した。
ルーブルでの支払いを拒否
ロシア側の通告は、ポーランドとブルガリアが、ロシアのエネルギー大手「ガスプロム」へのルーブル(ロシアの通貨)での支払いを拒否したためだと考えられている。
また今回のロシア側の措置は、26日にポーランドが、ロシア最大のガス会社を含む50の団体と個人に対して制裁を課すと発表したことを受けてのこととされている。
ロシアは現在、ポーランドの年間ガス需要量の約55%を供給しているという。
しかしポーランドのアンナ・モスクワ気候相は「家庭で使うガスが不足する心配はない。液化天然ガスだけで十分に市場に供給されている」と述べている。
ブルガリアも通告を受ける
一方、ブルガリアのエネルギー省も、トルコストリーム・パイプラインを経由したロシアのガスの供給が4月27日には停止すると通告を受けたと発表した。
かつてロシア政府の緊密な同盟国であったブルガリアは、現在はロシアとの関係の多くを断ち切り、対ロシア制裁を支持し、ウクライナに人道的援助を提供しているという。
NATOの結束を打ち砕く試み
このようなロシア側の動きは何をもたらすのだろうか?
ウクライナの大統領補佐官・アンドリー・イェルマク氏は、ロシアが「ヨーロッパへのガス恐喝を始めている」とした上で、次のように述べている。
「ロシアは同盟国(NATO)の結束を打ち砕こうとしている。ロシアはまた、エネルギー資源が武器であることを証明している。だからこそ、EUは団結してエネルギー資源の禁輸を行い、ロシアからエネルギー兵器を奪う必要がある」
確かにガスの供給停止は、ドイツなどロシアに最も大きく依存している国々にとって重大な懸念となるのかもしれない。
ただしフランスもドイツも以前から、ルーブルでの支払いを拒否しており、ガスの供給が停止すれば契約違反として訴えるとしてきた。
今回、ポーランド最大のガス供給会社である「PGNiG」も、ロシアの「ガスプロム」の決定に対して契約違反の訴訟を起こすと発表している。(了)
出典元:The Guardian:Russia begins ‘gas blackmail’ halting supplies to Poland and Bulgaria, governments told(4/26)