「ヒトラーの祖先はユダヤ人」露・ラブロフ外相の発言にイスラエルが猛反発
先日、ロシアのラブロフ外相がナチス・ドイツのヒトラーについて言及し、その発言が波紋を広げている。
「ヒトラーもユダヤ人の出自」
ラブロフ外相は5月1日、イタリアのテレビ番組に出演。その際、インタビュアーから「なぜ、ウクライナのゼレンスキー大統領はユダヤ人なのに、非ナチ化しなければならないのか?」と尋ねられたという。
その際、ラブロフ大統領は、ナチス・ドイツの指導者であるアドルフ・ヒトラーにはユダヤ人の血が混じっているとし、次のように述べたそうだ。
「『(ゼレンスキー大統領が)ユダヤ人なのにナチス化とは何事だ』と言われても、ヒトラーもユダヤ人の出自なのだから、何の意味もないと思う。長い間、賢明なユダヤ人たちが、最大の反ユダヤ主義者はユダヤ人自身だと言っているのを聞いてきました」
「ひどい歴史的過ち」
この発言に対し、イスラエル政府は猛反発。ヒトラーの出自がユダヤ人であると発言したことについて、「反ユダヤ的で危険だ」と非難したという。
イスラエルのヤイル・ラピド外相は、YNetニュースサイトに対し、「許しがたい、スキャンダラスな発言であり、ひどい歴史的過ちであり、我々は謝罪を求めている」と批判したそうだ。
さらにラピド外相は、このラブロフ外相の発言に関しては、ロシア大使を呼び出して「厳しく糾弾」するとも述べている。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領も、ラブロフ外相の発言について、次のように批判している。
「ナチズムに対する勝利の記念日の前夜に、どうしてこのようなことが言えるのだろうか。この言葉は、ロシアのトップ外交官が、ナチスの犯罪をユダヤ人のせいにしていることを意味する。言葉もない。(略)ロシアの砲撃で、ナチスの占領とナチスの強制収容所を生き延びた一般の人々が死んでいる中で、ロシアの大臣によるこのような反ユダヤ主義の突き上げは、ロシアが第二次大戦のすべての教訓を忘れたことを意味します。あるいは、そのような教訓を勉強したことがないのかもしれない」(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war live: rocket strike hits Odesa; people trapped in Mariupol steelworks face evacuation delays(5/2)