ウクライナがEU加盟に一歩近づく、欧州委員会が候補国の支持を表明
欧州委員会は、ウクライナがEU加盟の候補国になることを支持した。これで加盟に一歩近づいたことになる。
欧州委員長も支持を表明
欧州委員会は17日、ウクライナがEUに加わるための候補国として地位を与えることを勧告した。また隣国のモルドバにも加盟候補国として認定するよう勧告した。
欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ベルギーのブリュッセルでの演説において、「ウクライナ人は欧州の展望のために、死ぬ準備ができている」と述べたという。
また「ヨーロッパの夢として、私たちはウクライナの人々に私たちと共に暮らしてもらいたいと考えている。ウクライナはヨーロッパの価値観や基準に沿って生きるという熱意と決意を示している」と語ったそうだ。
ただし同時に「ウクライナは、法の支配、寡頭政治(オリガルヒ)、人権、汚職への取り組みに関する重要な改革を行う必要がある」とも述べている。
この勧告を受けて、ウクライナのゼレンスキー大統領は「歴史的な決定」が「勝利に近づく」ことになるとツイートした。
I commend the positive @EU_Commission Conclusion on 🇺🇦’s candidate status. It’s the 1st step on the EU membership path that’ll certainly bring our Victory closer. Grateful to @vonderleyen & each EC member for a historic decision. I expect the positive result from #EUCO next week.
— Володимир Зеленський (@ZelenskyyUa) June 17, 2022
加盟の決定は全会一致が必要
EUの候補国としての地位は、加盟への重要なステップとなるが、このプロセスには何年もかかると言われている。
また欧州委員会からの勧告は、来週開催されるEU加盟国27カ国による協議の場で、署名される必要があるという。
フランス、ドイツ、イタリアの首脳はすでにウクライナの加盟を支持しているが、候補国にする決定は全会一致でなければならない。
アメリカ人の志願兵、3人目も行方不明
一方、ウクライナの戦線では、3人目のアメリカ人志願兵の行方が分からなくなっている。
この志願兵は、元海兵隊将校のグラディ・クルパシ氏(49歳)と考えられ、彼の家族は4月下旬からウクライナ南部のヘルソン地区で行方不明になっていることを明らかにした。
クルパシ氏の家族に話を聞いたワシントン・ポストによると、彼は3月初旬にウクライナに渡航し、4月26日に民間人避難中に偵察・監視の仕事を割り当てられたのを最後に、連絡が取れなくなったという。
すでにアメリカ人の志願兵2人が音信不通となっており、クルパシ氏を含めた3人が親ロシア派に捕らえられた可能性があると懸念されている。(了)
出典元:BBC:Ukraine moves one step closer to EU membership(6/17)
出典元:The Guardian:Third American volunteer fighter reported missing in Ukraine(6/17)