欧州連合、ウクライナをEU加盟候補国として承認、米は軍事支援を表明
EU(欧州連合)は、ウクライナのEU加盟国候補国として承認し、申請を認めた。
EU首脳会議で承認される
6月23日、ベルギーのブリュッセルでEU首脳会議が開かれ、そこでウクライナをEU加盟候補国にすることが承認された。
承認には27カ国すべての賛同が必要とされていたが、今回全会一致で加盟候補国の地位が認められたという。
すでに欧州委員会が6月17日に、ウクライナを加盟候補国にするよう勧告を行っており、今回の決定はそれに従ったものとなる。
またウクライナと同様、モルドバやジョージアのEU加盟候補国への申請が承認された。(モルドバやジョージアについては現在、再度確認中)
Today is a good day for Europe.
Congratulations to President @ZelenskyyUA President @Sandumaiamd and Prime Minister @GharibashviliGe
Your countries are part of our European family.
And today’s historic decision by Leaders confirms that. pic.twitter.com/lAkv8Bq5fs
— Ursula von der Leyen (@vonderleyen) June 23, 2022
2004年以来、EU加盟を目指す
ウクライナは2004年の「オレンジ革命」以来、また2013年から14年にかけてのマイダン抗議運動以来、EU加盟を目指してきたという。
今回の候補国承認への前向きな結果を期待して、ウクライナのゼレンスキー大統領は「これは暗闇から光に入るようなものだ」と語っていたそうだ。
またウクライナのEU大使であるVsevolod Chentsov氏も、この動きは「ウクライナや旧ソビエト連邦の他の国々が、ロシアの勢力圏には属さないというモスクワへのシグナルである」と述べていた。
欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は23日、「今日は欧州にとって良い日だ」とし、次のようにツイートした。
「この決定は我々全員を強くするものだ。ロシア帝国主義に直面しているウクライナ、モルドバ、ジョージアを強化するものである。そして、EUを強化するものだ」
This decision strengthens us all.
It strengthens Ukraine, Moldova and Georgia, in the face of Russian imperialism.
And it strengthens the EU.
Because it shows once again to the world that we are united and strong in the face of external threats.
— Ursula von der Leyen (@vonderleyen) June 23, 2022
ただし、まだEUの加盟候補国として容認されただけで、加盟手続きには長い時間がかかるとも言われている。
※EUへの加盟については、BBCジャパンが詳しく解説している。そちらも是非、ご覧いただきたい。
米、ウクライナへさらなる軍事支援
一方、アメリカ政府は23日、ウクライナに追加の軍事支援を行うと発表した。
今回の軍事支援の予算は4億5千万ドル(約600億円)とされ、ホワイトハウスのジョン・カービー報道官は「このパッケージには、新しい高機動砲ロケットシステムを含む武器と機材が含まれている」と述べたという。
このロケットシステムは「HIMARS」と呼ばれるものとされ、射程は300kmにもおよび、非常に正確にターゲットに命中させることが可能とされている。
このロケット砲はすでに4基が納入され、ウクライナ兵がこの高性能・高精度の兵器を操作するために必要な訓練プログラムも開始されているそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war latest: Ukraine granted EU candidacy status; three cruise missiles hit Mykolaiv, reports say(6/23)