プーチン大統領がウクライナ問題で「交渉の用意あり」と発言、西側は懐疑的
ロシアのプーチン大統領が、ウクライナとの紛争に関し、「交渉の用意がある」と発言したという。
国営テレビのインタビューで発言
プーチン大統領は12月25日、国営テレビ「ロシア1」のインタビューにおいて、ロシアはウクライナ戦争に関わるすべての当事者と交渉する用意があると述べたという。
一方で、ウクライナと西側同盟国が交渉を「拒否」していると非難したそうだ。プーチン大統領は次のように述べている。
「我々は関わっている全員と、受け入れ可能な解決策について交渉する用意がある。しかしそれは彼ら(ウクライナや西側諸国)次第であり、交渉を拒否しているのは我々ではなく、彼らである」
西側諸国がロシアを分断
一方で、プーチン大統領は、アメリカを中心とした西側諸国がロシアを分断しようとしているために、これまで正しい方向に行動してきたと主張。政府には国益、市民、国民の利益を守る以外の選択肢はない、と語った。
また2014年にウクライナで起きたマイダン革命により、親ロシア派のヤヌコビッチ大統領が倒れ、ウクライナで紛争が始まったとして西側を非難したという。
しかし、西側との地政学的な対立は「それほど危険ではない」と述べたそうだ。
時間稼ぎの可能性
ロシア側はこれまで、たびたび交渉の扉は開いていると述べているが、ウクライナ側とその同盟国は、プーチン大統領の主張が、戦場でのロシアの一連の敗北と撤退のための時間稼ぎの策略だと疑っている。
ホワイトハウスのジョン・カービー報道官も、プーチン大統領が戦争終結について「交渉する意思があることを全く示していない」とし、「全く逆だ」と述べたという。
またウクライナの大統領顧問であるMykhailo Podolyak氏も、ロシア側が交渉の用意があると主張した後、「プーチン大統領は、現実に戻る必要がある」と主張。
「ロシアが交渉を望んでおらず、責任を回避しようとしているのは、明らかだ」とツイートしている。
一方、ウクライナ南部のヘルソン州では12月24日にも、ロシア軍による攻撃が行われ、16人が死亡、64人が負傷したという。
ロシア側は、大砲や多連装ロケットシステム、迫撃砲を使い、ヘルソン地域に71回砲撃を加えたそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Putin says Russia ‘ready to negotiate’ over Ukraine as Zelenskiy gives defiant Christmas message – as it happened(12/25)