ウクライナへの「F-16」供与を巡る、西側各国の対応とは?
ウクライナが望んでいる戦闘機「F-16」を供与することに対し、西側各国には微妙な温度差があるようだ。
「現実的ではないと思う」
アメリカのジョー・バイデン大統領は1月30日、ホワイトハウスで記者から、ウクライナへ「F-16」を提供するかどうか尋ねられた際、「No」とだけ答えたという。
しかし1月31日の朝には、ウクライナが要求している兵器について引き続き協議すると強調した。
イギリス首相官邸の報道官も、「F-16」戦闘機について、「これらは洗練された装備品である」とし、「これらの戦闘機をウクライナに送ることは、現実的ではないと思う」と述べた。
同時に、リシ・スナク首相は、紛争の「長引く膠着状態」がロシアを利するという見方をしており、「ウクライナへの支援を加速することを支持している」と付け加えた。
ポーランドは供与の意思を表明か?
一方、ウクライナの大統領府最高顧問のAndriy Yermak氏は1月30日、ポーランドがウクライナに「F-16」戦闘機を供与する意思があることを示唆した。
Yermak氏はテレグラムにおいて、「ウクライナはポーランド政府から、前向きなシグナルを受け取った」と述べている。
しかし、ポーランドのマテウス・モラヴィエツキ首相は、この問題について、NATO同盟国と協議してのみ行動すると強調している。
フランスのセバスチャン・ルコルヌ国防相も、以前と同様に戦闘機の供与について「タブーはない」と繰り返した。
またルコルヌ国防相は、ウクライナのレズニコフ国防相と会談し、ウクライナ軍のパイロットにフランスの戦闘機を訓練させることを話し合ったが、まだ決定していないという。
ロシア軍が再攻勢の準備を進める
ウクライナのドミトロ・クレバ外相は、12カ国から届けられる戦車の第一陣が、120〜140台になるとの見通しを示した。
クレバ外相は、到着する第一陣にはドイツ製の「レオパルト2」、イギリスの「チャレンジャー2」、アメリカの「M1エイブラムス」が含まれるとし、フランス製の戦車「ルクレール」の供与も「本当に期待している」と述べたという。
一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ロシア軍がウクライナへの再攻勢を準備しており、おそらく今後数カ月のうちに大規模な攻撃が行われるだろうとの分析結果を発表している。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: France to send extra howitzers; military casualties from both sides ‘total 200,000’ – as it happened(1/31)