ミャンマーの琥珀から発見されたクモの化石、サソリのような尾がついた新種だと判明
古代に生息していた新しいクモの仲間の化石が発見され、その調査内容が2月5日に「Nature Ecology & Evolution」において発表された。
尻尾が生えた新しいクモの化石
この調査を行ったのはアメリカや中国、ドイツ、イギリスなどの古生物学者からなる国際研究チーム。
彼らはミャンマー北部で採取された琥珀の中に、新種のクモの仲間の化石を発見。ギリシャ神話に出てくる怪物「キメラ」に因んで「Chimerarachne」と名付けたという。
「Chimerarachne」は今から約1億年前の白亜紀中期に南アジア付近で生息していたとされ、糸を作り出す「出糸突起」という器官を持っていたとされている。
しかもお尻の部分から、サソリのような長い尻尾が生えていたことも明らかとなった。
進化の過程で「失われた部分」を表す
実は今回調査を行ったアメリカ、カンザス大学のPaul Selden氏は、2、3年前にも古生代に生息していた尻尾を持つクモの仲間を発見し、論文も発表していたという。
それは「Uraraneid」と名付けられ、3億8000万年前のデボン紀や2億8000万年前のペルム紀に生息していたと考えられているが、糸を作る「出糸突起」という器官を持っていなかったそうだ。
一方、現代のクモに尻尾はない。そのため今回の発見は、クモの進化の過程で空白になった部分を埋めるものとなったとか。
実際にSelden氏も「突然、元となった古代のクモと現代のクモとの間にある、失われた部分を形づくるものが現れたのです」と語っている。
発見されたのはオス、体は2.5ミリほど
今回発見された「Chimerarachne」の化石は4匹おり、いずれもオスとされている。また非常に小さく体の長さは2.5mmほど、逆に尻尾の長さは3mmほどになるとか。
また尻尾に毒があるかどうか分かっておらず、尻尾が周囲の状況を把握するためのアンテナの役割を果たしていたという見方もあるようだ。
研究者らは今後、さらに調査を進め、「Chimerarachne」の体の構造やどんな行動をしていたのかを見極めたいとしている。(了)
出典元:CNN:A spider with a tail was an actual animal that once lived(2/5)