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世界初、ブタの脳を体外で36時間も機能させることに成功:イェール大学

世界初、ブタの脳を体外で36時間も機能させることに成功:イェール大学
flickr_Kat Dodd

ブタの脳を取り出し、体外で長時間生きた状態にさせる実験が行われ、成功したことが明らかにされた。

 

脳細胞が36時間機能していた

 

この実験を行ったのは、アメリカのイェール大学などの研究者たち。

 

彼らは屠殺場へ送られた200頭のブタから脳を取り出し、ポンプやヒーター、人工血液を使い体の外で血液の循環を再現したという。

 

この結果、肉体から切り離されたブタの脳が意識を取り戻したかについては確認できなかったが、数十億個もある脳細胞が36時間も正常に機能していることが明らかになったそうだ。

 

このことはアメリカ国立衛生研究所での会議において発表されたが、このような大型の動物から脳を取り出し、体の外で活動を長時間維持させた例としては、世界で初めてだとされている。

 

脳に意識はなく、昏睡状態だった

 

この実験のためにイェール大学の研究チームは、まずブタの脳の外側の表面に電極を設置。

 

これにより、思考や感覚の兆候を示す脳内の電気的活動のサインを捉えることができたという。

 

当初は脳が部分的に意識状態にあると考えられたが、それは間違いで、最終的に研究者らは昏睡状態と同様のフラットな脳波が生み出され続けたと結論づけたそうだ。

 

flickr_Ketzirah Lesser & Art Drauglis

未来の使い方や人間への適用に懸念

 

実験を率いたイェール大学の神経科学者であるNenad Sestan博士によれば、この結果は驚くべきもので、予期していたものではなかったという。

 

そしてこの成果は今後、身体の外で脳を確実に生きながらえさせ、恐らく意識を維持させることも可能になると見ているそうだ。

 

しかし博士は同時に、今回開発された技術が将来どのように使われるのか、特に人間に適用される可能性について懸念を表明している。

 

「仮に誰かがこの技術を使い、より良く改良し、誰かの脳の活動を復元したとする。それは人間を復元させることになります。さらに、もしその人間が記憶を持っていたとしたら、私は完全に怯えるでしょう」

 

博士は取り出した脳の意識を維持するという目標を追求しないと決断しており、倫理的なフレームワークを今すぐに構築する必要があると訴えているという(了)

 

 

出典元:INDEPENDENT:Pig brains kept alive outside bodies for first time could have major implications for humans(4/27)

出典元:The Guardian:Scientists ‘keep pigs’ brains alive without a body for up to 36 hours’(4/27)

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