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将来発生し得る未知の病原体「X」について、ダボス会議で議論

将来発生し得る未知の病原体「X」について、ダボス会議で議論
flickr_NIAID

スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に各国の要人らが集まり、未知の病原体「X」について話し合われたという。

 

致死性の高い仮定上の病原体

 

2022年、世界保健機関(WHO)は、25のウイルスと細菌を調査するために、300人の科学者を集めたという。

 

そして、将来大惨事を引き起こす可能性があり、研究の必要があると考えられる病原体のリストを作成したそうだ

 

そのリストには、2018年にWHOによって初めて、未知の病原体「X」も含まれた。

 

実は「X」は仮定上の病原体で、まだ実際に存在しているわけではなく、今後脅威となる可能性のある疾病を指す。

 

1月17日にダボス会議に出席したWHOのテドロス事務局長も「新型コロナウイルスが、私たちにとって最初の疾病『X』だった可能性があり、科学者や専門家はその経験から積極的に学んでいる」と述べた。

 

またテドロス事務局長は、世界が病原体「X」に備えるため、世界保健機関のパンデミック条約に署名するよう各国に呼び掛けたという。

 

動物間で感染している可能性

 

ジョンズ・ホプキンス大学・健康安全センターのアメッシュ・アダルジャ氏は、メディア「CBS」に対して「致死率が非常に高いウイルス株があり、それらはヒトからヒトへ効率的に感染する能力を発達させる可能性がある」と述べている。

 

また同氏によれば、「X」のような致死性の高い病原体は呼吸器系ウイルスである可能性が高く、すでに動物種内で流行している可能性があるが、まだ人間には感染できないだけだという。

 

アダルジャ氏は病原体「X」が、コウモリや鳥、ブタなどの間で広まっている可能性があるとし、「この種のウイルスが足がかりを得るのは、まさに人間と動物の間の接点、つまり相互作用が起こる時(場所)」だと述べている。

 

WHOによれば、このような致死性の高い病原体への準備ができていないと、700万人以上が死亡した新型コロナウイルスで経験したよりも、さらに大きな被害を引き起こす可能性があるという。

 

そのため専門家らは、このようなウイルスと闘い、パンデミックが発生した場合に備えて、医療システムを準備するための行動計画を積極的に策定したいと考えているそうだ。(了)

 

出典元:CBS:World leaders are gathering to discuss Disease X. Here’s what to know about the hypothetical pandemic.(1/17)

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