NASAの火星ヘリコプター「インジェニュイティ」が損傷、飛行が不可能になる
NASAの「インジェニュイティ」が損傷し、火星での任務を終えることになった。
ローターのブレードを損傷
NASAは1月25日、「インジェニュイティ」が予定されていた回数を超えて飛行し、ついに火星での任務を終えたと発表した。
「インジェニュイティ」は1月18日にも飛行したが、着陸中に1つ以上のローターのブレードが損傷。すでに飛行が不可能になったという。
ただ現在もこの火星ヘリコプターは、直立姿勢を保ち、地球の管制官と通信を続けているそうだ。
予定の14倍以上の距離を飛行
「インジェニュイティ」は2021年2月18日、NASAの探査機「パーサヴィアランス」に取り付けられて火星に着陸した。
そして2021年4月19日に、初めて火星での飛行に成功。地球以外の惑星で、最初に飛行した航空機となった。
その後も「インジェニュイティ」は、約3年間で72回という驚異的な飛行を達成しただけでなく、当初計画の14倍以上の距離を飛行し、累計飛行時間は2時間以上に達したという。
NASAのビル・ネルソン長官は、次のように語った。
「あの素晴らしいヘリコプターは、私たちが想像していたよりも高く、遠くまで飛びました。そして私たちが最も大切にしていること、つまり不可能を可能にすることを助けてくれました。NASAは、インジェニュイティのようなミッションを通じて、将来の太陽系での飛行と、火星やその先への、よりスマートで安全な有人探査への道を切り開いていきます」(了)
出典元:Clickorlando:NASA’s Ingenuity Mars Helicopter concludes historic mission on red planet(1/25)