「ポンス・ブルックス彗星」が70年ぶりに太陽に接近、地球でも観測可能
大きな彗星が現在、太陽系を進んでおり、これから数週間後には地球でも観測できる可能性があるという。
エベレストより大きな、ハレー型彗星
その彗星とは「ポンス・ブルックス彗星(12P/ポンズブルックス)」だ。
これはハレー型彗星で、公転周期は71.3年とされ、4月21日に太陽に最接近する予定となっている。また6月2日頃には、地球から2憶3000kmの距離まで接近すると予測されているという。
このため数週間後には、地球からも肉眼で見える可能性があるそうだ。最もよく観測できるのは北半球とされ、夕闇が終わりかけた時に、西北西の空の低い位置に現れるという。
「悪魔の彗星」
「ポンス・ブルックス彗星」は、すでに14世紀に発見されていたとの説もあるが、1812年にフランスの天文学者、ジャン・ルイ・ポンス氏が発見したという。
さらに1883年にイギリス系アメリカ人の天文学者、ウィリアム・ロバート・ブルックス氏が観測したことから、2人に因んで命名されたそうだ。
「ポンス・ブルックス彗星」の核は直径約30kmと考えられ、氷火山彗星に分類されている。つまり加熱されて内部の圧力が高まると、塵やガス、氷が噴出するという。
そして昨年、このような噴出により明るさが100倍になり、周囲を覆うガスが角のある形になったことから、「悪魔の彗星」というあだ名が付けられた。
この彗星は緑色を帯び、すでに発見されているが、今後さらに明るさが増すという。
ただしイギリス王立天文学協会の副事務局長ロバート・マッシー博士は、たとえ彗星が明るくなったとしても、依然として見るのは難しい可能性があるとし、「小型望遠鏡などの基本的な機器が大いに役立つだろう」と述べている。(了)
出典元:The Guardian:‘Larger than Everest’ comet could become visible to naked eye this month(3/11)