南極付近のサウスジョージア島で、鳥インフルに感染したペンギンを初めて確認
フォークランド諸島の東に位置するサウスジョージア島で、鳥インフルエンザに感染したペンギンの個体が確認された。
10羽のペンギンが感染
ペンギンのサンプルは、イギリスにある鳥インフルエンザ国際基準研究所へ送られ、そこで高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)への感染が確認されたという。
感染が確認されたペンギンは全部で10羽。サウスジョージア島に生息している、5羽のジェンツーペンギンと、5羽のオウサマペンギンになるそうだ。
実は南極大陸に近いこの地域では、すでに他の鳥や動物でも鳥インフルエンザの感染が判明していたが、今回ペンギンの感染が確認されたのは初めてとされている。
現時点で影響は限定的
サウスジョージア島のビーチは、100万羽以上のペンギンがひしめき合い、求愛、交尾、子育てを行っているという。
しかも生息しているペンギンの種類も多く、アホウドリやアザラシも暮らしているそうだ。
ただこの島では繁殖期が終わりつつあるため、今回の鳥インフルの感染への影響は、当面限定的と考えられている。イギリス南極調査局の鳥類生態学者、ノーマン・ラトクリフ博士も次のように語っている。
「鳥インフルエンザが蔓延し、島全体で非常に高い死亡率を引き起こした場合、世界的に保護上の懸念が引き起こされるでしょう。しかし現時点では、その広がり方はある程度限定されているようです」
これまで南極大陸や周辺の離島は、遠隔地にあたるため、世界的な鳥インフルエンザの感染拡大の影響を避けられてきたが、その状況は変わりつつあると言われている。(了)
出典元:BBC:South Georgia: Bird flu infects penguins at famous wildlife haven(3/13)