国際宇宙ステーションから落下か?金属の塊が、フロリダ州の民家を直撃
国際宇宙ステーション(ISS)から落下したとみられる金属部品が先日、アメリカの民家を直撃した。
約900gの金属が屋根を突き破る
その事故が起きたのは3月8日、場所はフロリダ州南西部の町、ネープルズにある民家とされている。
国際宇宙ステーションから廃棄されたバッテリーの一部とみられる重さ2ポンド(約900g)の金属の塊が、屋根を突き抜け、2階の部屋に衝突したという。
家の所有者であるAlejandro Oteroさんは、「息子に当たるところでしたよ。彼は2部屋向こうにいて、すべてを聞いていました。何かが家を突き破り、床と天井に大きな穴を開けました」と語っている。
Hello. Looks like one of those pieces missed Ft Myers and landed in my house in Naples.
Tore through the roof and went thru 2 floors. Almost his my son.
Can you please assist with getting NASA to connect with me? I’ve left messages and emails without a response. pic.twitter.com/Yi29f3EwyV— Alejandro Otero (@Alejandro0tero) March 15, 2024
2021年3月に投棄された物か
科学誌「Ars Technica」によれば、アメリカ宇宙軍は8日午後2時29分(現地時間)、メキシコ湾上空で、フロリダ南西部に向かう宇宙ゴミの一部が大気圏に再突入する様子を記録していたという。
またそれが確認されたのは、Oteroさんの家に衝突する5分前のことであり、「Ars Technica」は金属の塊が、宇宙ステーションからのものだという説明が最も可能性が高い、と指摘している。
その物体はISSのバッテリーアップグレードに使用された2.9トンのパレット(荷台か?)の一部とされ、2021年3月に投棄され、当時NASAは、これまで放出された中で最も質量の大きな物体だと述べていた。
ハーバード大学などに所属する天文学者のジョナサン・マクダウェル氏は、すでにこの物体が3月7日から9日の間に、制御不能な状態で地球の大気圏に再突入する予定だと明らかにしていた。
またマクダウェル氏はSNSの「X」において、「再突入しても完全に燃え尽きることはない。約0.5トンの破片が地表に衝突する可能性がある」と警告していたという。
NASAの技術者が分析を進める
まだこの金属の塊の正体は、正確には判明しておらず、現在NASAの技術者が分析を進めている。
またバッテリーはNASAが所有するものだったが、それは日本の「JAXA」が打ち上げたパレットに取り付けられていたと考えられている。
欧州宇宙機関(ESA)も降下中のパレットを監視していたが、「一部の部品は地面に到達する可能性があるものの、死傷者の危険、つまり人に衝突する可能性は非常に低い」と計算していたそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Metal thought to be International Space Station trash rips through Florida home(4/2)