解読された古代の巻物に、亡くなる前のプラトンの様子が記されていた!
イタリア・ナポリ近郊にある古代の別荘から発見された、パピルスの巻物の解読がすすめられ、哲学者・プラトンについて書かれていたことが判明した。
ヴェスヴィオ山の噴火で埋もれた町
その巻物は、ポンペイと同様に、西暦79年のヴェスヴィオ山の噴火で埋もれた町、ヘルクラネウムの豪華な別荘に保存されていたという。
別荘は、ジュリアスシーザーの義父のものとされ、パピルスに書かれた巻物も義父が所有していたと考えられており、1750年に発見されたそうだ。
巻物は火山灰に埋もれ、すでに炭化していたが、今回ピサ大学などの研究者により、最新の画像診断技術が使用され、文章の1部が解読されたという。そこには、古代ギリシャの哲学者であるプラトンについて、記されていた。
亡くなる前の様子が記されていた
ソクラテスの弟子で、アリストテレスの指導者でもあったプラトンは紀元前348年頃(347年との説も)に、ギリシャの首都・アテネで亡くなったと言われている。
そして今回解読された巻物には、プラトンが死の間際、トラキア人の奴隷だった少女が吹くフルートを聞いており、その際少女にリズム感が欠如していると批判したことが示されていたという。
またプラトンの埋葬地が、世界最初の大学と呼ばれる「アテネ・アカデミー」の庭園内であったことも示唆されていたそうだ。
さらに文書には、プラトンが紀元前404年頃か、紀元前399年に、ギリシャのアイギナ島で奴隷として売られたことも記されていたという。
紀元前404年にはスパルタがアテナイと戦い勝利しており、紀元前399年はソクラテスが死んで間もない時期と考えられている。
今回の研究を行ったピサ大学のグラツィアーノ・ラノッキア教授によれば、今までプラトンは、紀元前387年、シチリアに滞在中、シラクサのディオニシウス1世の宮廷で奴隷として売られたと信じられていたという。
ラノッキア教授は、今回の研究はまだ初期段階であり、すべてが明らかになるためには、今後数年間かかると述べている。(了)
※この内容は、「ナゾロジー」でも詳しく紹介されている。ぜひ、ご覧いただきたい。
出典元:The Guardian:Plato’s final hours recounted in scroll found in Vesuvius ash(4/29)