群れで冬眠していたヘビの化石、新種であることが判明
過去にアメリカで発見された、古代のヘビの化石が分析され、新種であることが明らかにされた。
3800万年前のヘビの化石
その化石は1976年にアメリカのワイオミング州で発見され、今から3800万年前のものであると確認された。
ヘビの化石は同じ場所で複数発見されており、1986年の研究では、ヘビが冬に暖かさと保護を求め、群れで冬眠していた可能性が示唆され、爬虫類の化石から社会的行動が初めて明確に示されたという。
そして今回、アルバータ大学などの研究者らにより、新たな分析が進められ、このヘビが新種であることが確認された。
集団で冬眠すること自体が珍しい
研究チームは、高解像度のCTスキャンを使用してヘビの化石をより詳細に調査。その結果、このヘビが現代のボアとの近縁で、新たな種に属すことが判明し、「Hibernophis breithaupti」と名付けたという。
この化石のヘビは、現代のガーターヘビ(Thamnophis)のように群れで冬眠していた可能性があるが、このような方法で冬眠する爬虫類は、現存する約1万5000種のうち、ガーターヘビ以外、1種もないと言われている。
北米全土に生息するガーターヘビは、10月から4月にかけて共同の巣穴に集まり、時にはお互いに長距離を移動し、群れで冬眠するという。
ヘビは体温を調節できないので、冬の間できるだけ多くの熱を蓄える必要があり、集まることで気温が下がっても、暖かく過ごすことができるそうだ。
「Hibernophis breithaupti」も冬眠のために集まっていたと考えられ、研究者はこのヘビが冬の巣穴にいる間に小さな洪水に巻き込まれ、閉じ込められて、すぐに細かい砂泥岩に包まれたのではないかと推測している。
このプロセスにより、爬虫類が群れをなして一緒にいるだけでなく、完全な骨格が保存されたと考えられるという。
実はヘビは数百の椎骨(脊椎の骨)で構成されているが、椎骨は簡単に散らばってしまうため、このように完全な骨格が保存されることも非常に珍しいそうだ。(了)
出典元:Livescience:Spectacularly rare fossils of snakes that died huddled together 38 million years ago unearthed in Wyoming(7/26)