NZで発見された稀少なクジラ、初めて解剖を完了
以前、ニュージーランドで発見された非常に珍しいクジラの解剖が行われ、先日完了した。
生きた状態で目撃された例はなし
今年の7月、ニュージーランドの南島の海岸に、体長5mの「バハモンドオウギハクジラ(spade-toothed whale)」のオスが打ち上げられているのが発見された。
「バハモンドオウギハクジラ」は非常に珍しく、生きた状態で目撃された例は一度もない。
しかし今回、この稀少なクジラが完全な状態で保存された。そして先週、ニュージーランドのDunedin市近郊の研究センターで、初めて綿密な検査が行われ、解剖が完了したという。
World’s rarest whale washes ashore in Otago.
A whale so rare only six specimens have ever been known to science has washed ashore on an Otago beach.
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— Department of Conservation (@docgovtnz) July 22, 2024
Rarest whale in the world undergoes dissection.
Mana whenua and scientists are examining the rarest whale in the world for the first time ever.
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— Department of Conservation (@docgovtnz) December 3, 2024
Spade-toothed whale reveals new discoveries.
Vestigial teeth were just one of many new discoveries made by scientists during the dissection of the rarest whale in the world.
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— Department of Conservation (@docgovtnz) December 13, 2024
9つの胃、上顎に歯の痕跡
ニュージーランド自然保護局のクジラ専門家であるアントン・ファン・ヘルデン氏によれば、このクジラの顎の骨折、そして頭部と首の打撲から、頭部外傷が死因である可能性が高いという。
またこれまで、「オウギハクジラ」の種類によって胃の仕組みが異なっていたため、研究者には「バハモンドオウギハクジラ」が餌をどのように消化していたのか、分からなかったそうだ。
しかし今回の解剖により、研究者はこのクジラに9つの胃(室)があることを発見。胃の中には、イカや寄生虫の残骸が含まれていたという。
さらに興味深いことに、このクジラの上顎に、退化した小さな歯も見つかったそうだ。一般的にクジラ類には、下顎の先端に歯が左右数本ずつあるのみで、上顎には無いとされている。
この歯は歯茎に埋め込まれており、ファン・ヘルデン氏は「このことは、彼らの進化の歴史について何かを教えてくれます。これを見るのは驚くべきことで、私たちが全く知らなかったことの1つです」と述べている。
解剖後、このクジラの顎骨と歯は、地元部族のイウィ族によって保管され、その後、骨格が博物館に展示されるという。(了)
出典元:ABC News:New Zealand scientists suspect specimen of world’s rarest whale died from head injuries(12/13)