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NZで発見された稀少なクジラ、初めて解剖を完了

NZで発見された稀少なクジラ、初めて解剖を完了
X_Department of Conservation

以前、ニュージーランドで発見された非常に珍しいクジラの解剖が行われ、先日完了した。

 

生きた状態で目撃された例はなし

 

今年の7月、ニュージーランドの南島の海岸に、体長5mの「バハモンドオウギハクジラ(spade-toothed whale)」のオスが打ち上げられているのが発見された。

 

「バハモンドオウギハクジラ」は非常に珍しく、生きた状態で目撃された例は一度もない。

 

しかし今回、この稀少なクジラが完全な状態で保存された。そして先週、ニュージーランドのDunedin市近郊の研究センターで、初めて綿密な検査が行われ、解剖が完了したという。

 

9つの胃、上顎に歯の痕跡

 

ニュージーランド自然保護局のクジラ専門家であるアントン・ファン・ヘルデン氏によれば、このクジラの顎の骨折、そして頭部と首の打撲から、頭部外傷が死因である可能性が高いという。

 

またこれまで、「オウギハクジラ」の種類によって胃の仕組みが異なっていたため、研究者には「バハモンドオウギハクジラ」が餌をどのように消化していたのか、分からなかったそうだ。

 

しかし今回の解剖により、研究者はこのクジラに9つの胃(室)があることを発見。胃の中には、イカや寄生虫の残骸が含まれていたという。

 

さらに興味深いことに、このクジラの上顎に、退化した小さな歯も見つかったそうだ。一般的にクジラ類には、下顎の先端に歯が左右数本ずつあるのみで、上顎には無いとされている。

 

この歯は歯茎に埋め込まれており、ファン・ヘルデン氏は「このことは、彼らの進化の歴史について何かを教えてくれます。これを見るのは驚くべきことで、私たちが全く知らなかったことの1つです」と述べている。

 

解剖後、このクジラの顎骨と歯は、地元部族のイウィ族によって保管され、その後、骨格が博物館に展示されるという。(了)

 

出典元:ABC News:New Zealand scientists suspect specimen of world’s rarest whale died from head injuries(12/13)

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