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性的暴行事件で生殖器の細菌を使い、犯人を特定できる可能性【豪研究】

性的暴行事件で生殖器の細菌を使い、犯人を特定できる可能性【豪研究】
flickr_Umberto Salvagnin

オーストラリアの科学者が、生殖器にある細菌の研究を進め、性的暴行事件の加害者を特定するのに役立つ可能性を指摘している。

 

個人によって異なる生殖器の細菌

 

その研究を行ったのは、オーストラリアにあるマードック大学のブレンダン・チャップマン博士が率いる研究チームだ。

 

そもそも腸内細菌から構成される腸内細菌叢(腸内フローラ)と同様に、生殖器の細菌も個人によって異なるという。

 

しかもその細菌は性行為中に、相手に伝染し、その後ある特徴を残し、検出できることが研究により判明したそうだ。

 

チャップマン博士は、個人の性的微生物叢(セクソム:sexome)を追跡する技術は、精子が検出されない性的暴行事件にも、最終的に使用できる可能性があると述べている。

 

細菌の特徴が5日間持続

 

研究者らは、実験において「16S rRNA」と呼ばれる細菌遺伝子に狙いを定めたという。この遺伝子配列は、さまざまな人々の間で見つかる細菌によって異なるそうだ。

 

そして性交前後の12組の異性愛カップルの性器から、分泌物を採取。性交後にパートナーの細菌の特徴を特定できることが分かったという。

 

チャップマン博士は「射精がない場合、避妊具を使用している場合、または男性が精管切除を受けている場合、これ(細菌の分析)が潜在的な第2のアプローチとして非常に重要になります」と述べている。

 

また今回の実験では、あるカップルの場合、細菌がパートナー間で移行した後、特徴が5日間持続したという。

 

従来のDNA分析では、性的暴行後、最初の24時間以内に精子が検出される可能性が最も高いが、細菌を使った方法なら、検出期間がさらに伸びる可能性もあるそうだ。

 

ただし、チャップマン博士は、検出可能な細菌の独自性を見極める必要があるとし、「この技術が法廷で採用されるのは、まだ先のことだ」と述べている。(了)

 

出典元:The Guardian:Bacteria transferred during intercourse could help identify sexual assault perpetrators, scientists say(2/13)

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