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絶滅した「ダイアウルフ」が復活、科学者が3匹の子供を誕生させる

絶滅した「ダイアウルフ」が復活、科学者が3匹の子供を誕生させる
YouTube/Colossal Biosciences

科学者により絶滅した動物を復活させる研究が進められ、約1万2500年前に絶滅したイヌ科の動物「ダイアウルフ(Aenocyon dirus)」の子供が誕生した。

 

真っ白な3匹の子供が誕生

 

この研究を行ったのは、バイオテクノロジー系環境保護会社「コロッサル・バイオサイエンス」の科学者らだ。

 

彼らは1万3000年前の「ダイアウルフ」の歯と 7万2000年前の頭蓋骨からDNAを採取。

 

また現代のハイイロオオカミ(Canis lupus)のDNAを微調整し、「ダイアウルフ」のユニークな遺伝子変異を組み入れたという。

 

さらに、その「ダイアウルフ」のDNAを、核を取り除いたハイイロオオカミの卵細胞に挿入し、研究室で成熟させてから、3つの胚を3匹の代理犬に移植したそうだ。

 

この結果、「ロミュラス」「レムス」「カリーシ」と名付けられた、真っ白な「ダイアウルフ」の子供が誕生した。(2匹はすでに成長している)

 

14の遺伝子の重要な違いを特定

 

「ダイアウルフ」のゲノムを再構築するために、研究チームは化石からの遺伝子サンプルを使用し、オオカミ、ジャッカル、キツネなど、現存する近縁種のゲノムと比較。

 

その後、研究者らは、「ダイアウルフ」に最も近い近縁種である「ハイイロオオカミ」を卵子提供の動物として選んだという。

 

またゲノム解析により、科学者らは、体が大きいこと、毛並みが白いこと、歯が大きいこと、個性的な遠吠えなど、「ダイアウルフ」の14の遺伝子にある20の特徴的な違いを特定することができたそうだ。

 

次に、研究者はクローン羊の「ドリー」で行われたように、生きたハイイロオオカミの血液サンプルから細胞を採取。その後、遺伝子編集技術「CRISPR」を使用して、特定された14の遺伝子に20の編集を加え、オオカミの古代の近縁種と同じ配列を持つようにしたそうだ。

 

体細胞の核を生殖細胞に移植

 

これらの体細胞が作られると、核が抜き取られた「ハイイロオオカミ」の卵子に挿入。通常、卵子や精子などの生殖細胞は、各染色体の複製を1つしか持っていないが、体細胞は2つの複製を持っている。

 

そのため、体細胞の核を生殖細胞に移植すると、胚に成熟するための必要なすべての遺伝的指示が生殖細胞に与えられるという。

 

その後、この卵子は研究室で胚に成熟し、45個の胚が作られ、「ハイイロオオカミ」の亜種になる犬の子宮へ移植。

 

代理母の犬1匹につき、1つの胚だけが定着し、妊娠65日後の2024年10月1日には、「ロムルス」と「レムス」が帝王切開で誕生し、同じプロセスを繰り返し、3カ月後に「カリーシ」が生まれたという。(了)

 

出典元:Livescience:Adorable dire wolf pups mark ‘world’s first de-extinction,’ Colossal Biosciences says(4/7)

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