ポーランドで中世の騎士の墓を発見、石板に見事な彫刻が描かれていた

ポーランドで中世の騎士の墓が発見され、考古学者らを驚かせたという。
鎧を着た騎士の彫刻
その墓が発見されたのは今年7月、場所はポーランドの海辺の都市、Gdańskにあるアイスクリームショップの下とされている。
この墓は13世紀の騎士のものとみられ、墓を覆っていた石板には、埋葬された騎士と思われる人物の彫刻が施されていたという。
そこには、鎖かたびらや鎧を身に着け、剣と盾を持った騎士が描かれていたそうだ。
発掘調査の共同責任者である考古学者のSylwia Kurzyńska氏によれば、「死者の姿が刻まれた石板は、中世ポーランドでは珍しいもの」だという。

保存状態の良い男性の骨も発見
この彫刻が施された墓石は長さ約150cmで、暫定的に13世紀後半から14世紀初頭のものと推定されており、石はスウェーデンのゴットランド島から輸入された石灰岩と考えられている。
また石板を撤去した後、さらに深く掘り下げられ、その結果、保存状態の良い男性の骨格が発見されたが、副葬品は見つからなかったという。

ただ研究者たちは、埋葬された男性が、社会的地位の高い人物だったと考えているそうだ。
またこの埋葬の年代と場所はドイツ騎士団の台頭と一致するものの、埋葬された人物と同騎士団とを明確に結びつける碑文やシンボルは発見されていない。
Kurzyńska氏によれば、「この発見はGdańskの町にとって重要なもので、街の形成期と直接結びつき、中世のエリート層の生活と埋葬を垣間見ることができる貴重な機会になる」という。
すでに墓石と骨の両方について、追加の作業が進められており、研究者は石板の彫刻を復元し、保存することを目指して、高解像度の3Dスキャンを用いて墓石を記録しているそうだ。
また骨の化学的・遺伝子的分析を行うことで、この男性がどのような人物であり、どのような人生を送ってきたのか、より深く理解できるようになると期待されている。(了)
出典元:Livescience:Medieval knight ‘Lancelot’ and his stunning stone tomb found under ice cream shop in Poland(8/9)