イタリアで発見された謎めいた緑色のミイラ、分析により謎を解明

約3世紀前にイタリアで埋葬された少年のミイラの分析が進められ、その謎が明らかになった。
銅の箱に埋葬されていた
そのミイラは、200年から400年前に埋葬された10代の少年のものとされ、1987年に北イタリアのボローニャにある、古い邸宅の地下室で初めて発掘されたという。
死亡時12歳から14歳だった少年の遺体は、銅の箱に埋葬されており、足を除いて骨格は完全に残っていたそうだ。
しかも奇妙なことに、このミイラは左脚を除いて、皮膚から骨までほぼ完全に緑色に染まり、エメラルド色の光沢を放っていたという。
この緑色のミイラの事例は、何十年もの間、科学者を困惑させてきたが、最新の研究により、この色の原因が銅の箱にあることが明らかにされた。
遺体の硬組織と軟組織も保護
研究者によれば、時が経つにつれ、箱の銅イオンが少年の骨格中のカルシウムと置き換わり、骨の構造を固めると同時に、影響を受けた部分をエメラルドグリーンの様々な色合いに染め上げたという。
またこの銅の箱は、金属の抗菌作用により、遺体の硬組織と軟組織を保護するのに役立ったと考えられている。
科学者たちは、この発見が、保存過程における特定の物質の役割についての理解を「完全に変える」ものだと述べている。
実は銅や青銅の遺物と一緒に埋葬された後、部分的にミイラ化したり、緑色に変色したりした古代の遺体も発見されているという。
例えば、中世ハンガリーで陶器の壺に埋葬された、新生児のミイラの手には銅貨が握られており、やはり緑色に染まっていたそうだ。(了)
出典元:MailOnline:Unravelling the mystery of the GREEN mummy: Mummified corpse turned bright emerald after being held in a copper box, study reveals(10/31)

























