南米のピューマ、新たな獲物としてペンギンを捕食

南米に生息するピューマが獲物としてペンギンを食べており、その事実が研究者らによって確認された。
アルゼンチンでピューマの個体数が回復
アルゼンチンのパタゴニア地方におけるピューマは約1世紀前、羊飼いらにより駆除され続け、この地域からほぼ姿を消したという。
しかし12月17日に「Royal Society Journals」に掲載された研究論文によると、GPSとカメラのデータから、この大型ネコ科動物の個体数が増え、史上最多を記録したことが明らかになったそうだ。
研究論文によると、現在のピューマの個体数は100平方キロメートルあたり13.2頭と推定されており、主に海岸沿いに生息しているという。
そしてピューマは海岸沿いにいるマゼランペンギンを襲い、食べているそうだ。
ピューマが姿を消し、マゼランペンギンが繁栄
この地域の頂点捕食者だったピューマは、20世紀初頭、アルゼンチンで羊の牧畜が主要産業の一つであった時代には「害獣」として扱われていたという。
羊の牧畜は1908年頃までアルゼンチンの主要産業で、そのためピューマは絶滅寸前まで追い込まれ、この地から姿を消したが、羊の牧畜業はその後、衰退したそうだ。
そしてピューマがいなくなったため、マゼランペンギンは海岸沿いに大規模な繁殖コロニーを築くことができたという。
しかし研究者が国立公園全体にカメラトラップを設置したところ、ペンギンのコロニー付近でピューマの個体数が極めて多いことがすぐに分かったそうだ。
環境保護団体「リワイルド・アルゼンティーナ」の生態学者で、研究論文の共著者であるEmiliano Donadio氏によれば、ペンギンは常に同じ場所にいるので、行動が予測しやすく、ピューマにとって殺すのに大きなエネルギーを費やす必要もないという。
ピューマは驚くほど回復力のある種で、北はカナダから南米まで広範囲に生息しているそうだ。(了)
出典元:ABC News:Puma populations are on the rise in Patagonia, now targeting penguins as prey(12/17)

























