国際宇宙ステーション内で牛肉を生産、筋肉組織から育てることに成功
今週、ある食品会社が、宇宙空間の実験室において牛肉の生産に成功したと発表した。
微重力でも牛肉が作れる
その企業とは、イスラエルの食品メーカーである「Aleph Farms」だ。
彼らは国際宇宙ステーション(ISS)にあるロシアの実験棟で、ビーフステーキの原材料(牛肉)を培養する試みを行なってきたという。
実験では、牛の体内で起こる筋肉組織の自然再生を模倣。3Dバイオプリンターの中で牛の微小な筋肉組織を育て、集めることで、微重力の状態でも牛肉を作ることに成功したそうだ。
世界の急激な人口増加にも対処するため
この方法を使えば土地や水を汚さず、食料生産を持続可能にすることに役立つという。
また2050年には100億人に達すると予測されているが、今回の実験はそのような急激な人口増加でも、人々に食料を届けることを目的として行われたそうだ。
9月10日に国連で開催された気候変動問題の政府間パネルでの報告では、今まで通常行われていた畜産方法が気候変動にかなり影響を与えていることが強調され、困難な状況をさらに悪化させ、食料面の安全保障を損なっていると指摘されたという。
またそこでは気候変動において、土地の砂漠化や土壌の劣化、食料供給の機会の減少についても議論が行われたそうだ。
「Aleph Farms」のCEOであるDidier Toubia氏は「この共同実験は、次の世代に食料面の安全保障を確実にするためのもので、私たちのビジョンを達成させる重要な最初の1歩なのです」と発言。
また今回のミッションにおいてパートナーとなっている「The Kitchen」のCEOであるJonathan Berger氏も、次のように語っている。
「持続可能な方法で、栄養のある高品質なものを、いつでも、どこでも供給できるようにするという今回のミッションは、全ての人間にとって今後もますます必要とされる課題なのです」(了)
出典元:Good News Network:Scientists Create First Ever Lab-Grown Meat in Space Lab 248 Miles From Earth(10/9)