【終末時計】滅亡の日までのカウントダウン、今年も最も短い100秒のまま
毎年発表されている、人類に残された破滅までの時間。これが今年も昨年と変わらないことになった。
今年は昨年と変わらず100秒のまま
「原子力科学者会報」は1月27日、今年の「終末時計の時刻」を発表した。しかし今年も昨年と変わらず、人類に残された終末までの時間はわずか100秒になったという。
今年は新型コロナウイルスの蔓延によって、世界中が大混乱に陥っているため、昨年と同じ100秒のままになったと考えられている。科学者たちは声明において、次のように述べている。
「パンデミックは、準備が整っておらず、意欲のない国々と国際システムが、どのように世界的な緊急事態を処理してきたかを明らかにした。この真の危機の時代に、政府はしばしば責任を放棄し、科学的助言を無視し、効果的に協力またはコミュニケーションをとらず、その結果、市民の健康と福祉を保護することができませんでした」
“Today, the Bulletin of the Atomic Scientists leaves the Doomsday Clock unchanged. It is 100 seconds to midnight,” — @RachelBronson1, President & CEO, Bulletin of the Atomic Scientists #DoomsdayClock https://t.co/Vn178C3EPM pic.twitter.com/cQtNgWRt3h
— Bulletin of the Atomic Scientists (@BulletinAtomic) January 27, 2021
最初の1947年には「7分間」
「原子力科学者会報」は大量破壊兵器や気候変動問題など、人間社会への脅威となる科学技術上の問題を扱うアメリカの学術雑誌で、毎年「終末時計」を発表してきた。
この会報には世界のリーダーやノーベル賞受賞者からなる科学者グループが所属しており、「終末時計」として地球滅亡まで、どのくらいの時間が残されているかを示してきた。
最初に発表されたのは1947年。核戦争の危険性を警告する目的で、マンハッタン計画で最初の原爆開発に参加した米科学者たちが、「終末時計」を創設したという。当時は人類には「7分」も時間が残されていたという。
しかし核戦争の脅威や気候変動問題、環境問題などで徐々に短くなり、昨年は一昨年より20秒進んで100秒までとなって、今までで最も終末に近づいてしまった。
ただしこれまでも「残された時間」は長くなったり、短くなったりを繰り返してきたそうだ。
今までで最も時間が長くなったのは1991年。この年には、アメリカのジョージ・ブッシュ大統領(父親)とソビエトのゴルバチョフ書記長が、核兵器削減を表明したと言われている。(了)
出典元:ABC News:2021’s ‘Doomsday Clock’ stuck at 100 seconds to midnight, scientists say(1/28)