米国立アレルギー・感染症研究所が、新型コロナワクチンの変異株に対する効果を発表
アメリカで新型コロナウイルスに関する新たな研究結果が発表され、変異株へのワクチンの効果について報告された。
「T細胞」が活性を維持
この研究結果を3月30日に発表したのは、アメリカの国立アレルギー・感染症研究所だ。
アンソニー・ファウチ博士が率いる同研究所の研究者は、新型コロナワクチンが新しい変異株に対抗できるとする強力な証拠を提示した。
研究者たちは、イギリスや南アフリカ、ブラジルなどで変異株が現れる前に、新型コロナに感染して、回復した30人の白血球のサンプルを採取して、調査を行ったという。
その結果、体の免疫システムの鍵となる「T細胞」が、ウイルスに対して活性を維持していることが明らかになったそうだ。
ウイルスの突然変異の影響を受けない
国立アレルギー・感染症研究所は、声明で次のように述べている。
「より大規模な研究が必要ですが、今回の発見は、回復期の個人やワクチンにおける多くのT細胞応答が、これらの3つの変異株に見られる突然変異の影響をほとんど受けず、新たな変異株に対する保護を提供するはずであると示唆しています」
「T細胞」とは、免疫反応の司令塔の役割をしており、全体としてはどんな病原体でも攻撃できると言われている。
今回のデータは今年の2月に、査読されていない予備結果として、すでに発表されたもの。
研究者らは、変異株に対するワクチンの強さや、または追加免疫を加えるための接種、ブースターショットが必要かどうかを見極めるために研究を続け、追加のデータを集めていく予定だと述べている。(了)
出典元:ABC News:Vaccines likely effective against COVID-19 variants, study suggests(3/31)