【新型コロナ】インドでの感染拡大は二重変異株が原因か?
インドで新型コロナウイルスの感染拡大が続いているが、その原因が二重変異株である可能性についてインドの衛生当局が言及した。
二重変異株の影響を認めていなかった
BBCによれば、これまで1カ月以上も、デリーの保健当局はCovid19の感染拡大と、二重変異株「B.1.617」とのつながりを否定してきたという。
また同時に、感染の拡大と、イギリスや南アフリカ、ブラジル由来の変異株との関係も否定してきたそうだ。
しかし今回、インド国立疾病管理センターのSujeet Singh博士は、現在起きているCovid19の「第2波」と、二重変異株「B.1.617」とが関連している可能性があると認め、5月5日に次のように述べた。
「当初、B1.617系統の震源地はマハラシュトラ州であるとされていました。この1ヶ月半の間にいくつかの州で見られた患者の急増は、B1.617系統の増加との相関関係を示しています」
遺伝子検査でも変異株を確認
現在、遺伝子解析が行われた約1万3000のサンプルのうち、8つの州から集められた約3500以上のサンプルから、「懸念すべき変異株」が見つかっているという。
また「B.1.617」などの変異株を含むサンプルも、感染者の多い複数の州で発見されているそうだ。
ただしインドが本格的に変異を調べ始めたのはかなり遅く、遺伝子解析の取り組みが「適切に開始された」のは2021年2月中旬だとされている。また現時点では、全てのサンプルの1%強しか解析できていない。
このためSingh博士も、感染拡大と二重変異株の相関関係を完全には確立できていないとした上で、次のように述べている。
「疫学的、臨床的な相関関係は十分に確立されておらず、相関関係がなければ、(感染者)急増との直接的な関連性を証明することはできません」
第3波も避けられない可能性
インドでは5月5日、過去24時間以内で3980人が新型コロナで死亡、41万2000人が新規感染者として報告されているという。(これまでもお伝えしているが、死者に関しては現場も混乱し、多数発生しているため正確ではないとの報告もある)
また政府のアドバイザーである科学者はすでに、この先に起きる「第3波」も避けられないと述べている。
これにより現在、複数の州で独自にロックダウンや外出禁止令などを出しているが、インド政府は経済への影響を恐れ、全国的なロックダウンには及び腰だという。(了)
出典元:BBC:India Covid: Government says ‘double mutant’ linked to surge(5/6)
出典元:INDEPENDENT:India says its ‘double mutant’ variant may be behind Covid crisis and a third wave is inevitable(5/6)