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「クレオパトラ」と呼ばれる小惑星、新たな特徴が明らかに

「クレオパトラ」と呼ばれる小惑星、新たな特徴が明らかに
ESO

「犬の骨」のような形をした小惑星について、新たな研究結果が発表され、従来とは異なる側面が見えてきた。

 

火星と木星の間にある小惑星

 

その小惑星の名前は「クレオパトラ」。これは犬が大好きな骨の形をしており、火星と木星の間にある小惑星帯に位置し、太陽の周りを公転しているという。

 

「クレオパトラ」は今から約20年前に発見されており、2008年には2つの衛星「アレクセリオス」と「クレオセリーン」が見つかっている。ちなみに衛星の名前は、エジプトの「クレオパトラ」の息子の名前に由来している。

 

そして今回、新しい観測結果が発表され、大きな衝突によって生じた破片が、緩く堆積して作られた小惑星である可能性が示されたという。

 

ESO

自転のおかげで、さまざまな角度から捉えられる

 

今回発表された内容は、2017年から2019年に、チリにある欧州南天天文台の超大型望遠鏡よって観測された内容が基になっている。

 

「クレオパトラ」は自転しているため、天体望遠鏡によって異なった角度から捉えることができ、今回小惑星の長さや体積などを新たに計算することができたという。

 

この観測結果は2本の研究論文として、9月9日に科学誌「Astronomy & Astrophysics」において発表された。

 

ESO
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体積は当初の予想よりも小さい

 

研究論文によれば、「クレオパトラ」の長さは約270km。体積は3.27兆トン(2.97兆メトリック・トン)で、当初考えられていたよりも35%も小さいことが明らかとなった。

 

また密度は1立方センチメートルあたり3.4グラムと推定され、従来の推定値である1立方センチメートルあたり4.5グラムよりも少ない結果になったという。さらに今回の観測では、小惑星の2つの衛星の軌道も、明らかになった。

 

「クレオパトラ」は自らがバラバラになるほど速く自転しており、この回転速度では非常に小さな衝突でも簡単に小惑星の一部が欠けてしまうため、「アレクセリオス」と「クレオセリーン」はこのようにして形成されたと考えられている。(了)

 

出典元:Livescience:Weird ‘dog bone’ asteroid could be a pile of cosmic rubble(9/9)

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