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長期間宇宙に滞在すると、人間の脳にどのような影響が出るのか?

長期間宇宙に滞在すると、人間の脳にどのような影響が出るのか?
flickr_SDASM Archives

長い間、宇宙に滞在した場合、人間の脳にどのような変化が起きているのか?それを調べる研究が行われ、今回結果が発表された。

 

視力や視神経に問題を抱える例があった

 

実は、過去数年に渡って、科学者たちは宇宙に数カ月滞在した宇宙飛行士の脳を研究し、ある変化が起きている可能性を突き止めていたという。

 

というのは、宇宙飛行士の中には、長期に及ぶミッションを終えて地球に戻った後も、視力障害や視神経の腫れなどの問題が見られていたからだ。

 

このため今回、ドイツめまい・平衡障害センターなどの研究者らは、5人のロシア人宇宙飛行士(全員男性)の血液中に含まれる5種類のタンパク質のレベルを、約6カ月に及ぶ宇宙ステーション滞在前後で測定した。

 

その結果、宇宙飛行士は平均して、ミッション終了後の3週間で、ミッション前よりもいくつかのタンパク質のレベルが高くなっていることが明らかになったそうだ。この状態は、頭にケガを負った人や、脳の病気にかかった人にしばしば見受けられるものだったとか。

 

骨密度の低下や、脳が上部へ移動も

 

すでに20年以上も、宇宙ステーションには人間が滞在し続けており、「微小重力」により筋力の衰えや骨密度の低下など、体の変化が確認されてきた。

 

また最近では脳の画像診断により、国際宇宙ステーションでの長期ミッションを経験した人の中に、脳が頭蓋骨の上部に向かって移動し、脳脊髄液が脳の下部や中心部でより多くのスペースを占めるようになったという研究結果も発表されているという。

 

しかし実際に脳への影響がどの程度あるのか、については明らかになっていなかったそうだ。

 

タンパク質で脳の状態を知ることができる

 

今回調査されたタンパク質は、頭蓋骨を開けなくても脳の状態を確認できるバイオ・マーカー(印)になりうるという。

 

しかも今回の研究で得られたバイオマーカーは、神経変性や脳の外傷による「損傷の程度を間接的に評価する」のに利用できるそうだ。実際、健康な人にはこれらのタンパク質は、あまり検出されない、と言われている。

 

今回、研究者は宇宙ステーションへ向かう20日前に、宇宙飛行士の血中にある5つのタンパク質を測定し、平均値を算出。そして宇宙飛行士が地球へ帰還後、1日後、1週間後、20から25日後の平均値と比較したという。

 

その結果、5つのタンパク質のうち2つは、1日後と1週間後に上昇。その後低下したものの、いずれも宇宙へ行く前のベースライン(基準線)を上回っていたそうだ。

 

ドイツめまい・平衡障害センターの神経学者・Peter zu Eulenburg博士は、一部のタンパク質のレベルが3週間にわたって上昇したままであったことは「非常に驚くべきこと」であり、この結果は「微小重力に長期間さらされた結果としての脳障害を証明するもの」であると述べている。(了)

 

出典元:ABC News:Do long trips to outer space cause brain damage?(11/7)

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