約100年前に南極で沈没したイギリスの船を発見、保存状態も良好
過去に南極で沈んだ船が、このたび科学者らによって発見され、その様子が撮影された。
1915年に南極の海で沈没
その船とは、「エンデュランス号」。これはイギリスの南極探検家であるアーネスト・シャクルトン卿の木造船とされている。
「エンデュランス号」は、1915年に南極に向かうが、海氷に押しつぶされて沈没。シャクルトン卿とその部下は全員脱出できたが、船はそのまま海の底で眠りについた。
しかし3月5日、科学者らにより107年ぶりに南極のウェッデル海で「エンデュランス号」を発見。その映像も撮影された。
潜水艇が2週間以上にわたって調査
この調査を行ったのは、フォークランド海洋遺産トラスト(FMHT)だ。彼らは、南アフリカの砕氷船「アグルハスII」を使用し、遠隔操作の潜水艇を装備して、「エンデュランス号」を見つけるプロジェクトを行ってきたという。
潜水艇は2週間以上にわたって、あらかじめ設定された捜索範囲をくまなく調べ上げ、長い間行方が分からなかった、この難破船を発見した。
「エンデュランス号」は木造船で、水深3008mの海底で見つかったが、非常に保存状態が良かったそうだ。
船の材木部分は破損しているものの、形はまとまって残っており、船尾には「Endurance」という名前がはっきりと見えたという。
今回の調査に参加した海洋考古学者のメンサン・バウンド氏は、次のように述べている。
「誇張することなく、これは私が今まで見た中で最も素晴らしい木造の難破船です。この船は直立し、海底からしっかり突き出ており、無傷で、素晴らしい保存状態です」(了)
出典元:BBC:Endurance: Shackleton’s lost ship is found in Antarctic(3/9)