古代のコウモリダコの化石、ジョー・バイデン大統領に因み命名される
古生物学者らにより、コウモリダコ(vampire squid)の化石が、アメリカの大統領に因み命名された。
1988年にカナダの博物館へ寄贈
実はこの化石はかなり以前に、アメリカのモンタナ州で発見されたが、1988年にカナダにある王立オンタリオ博物館に寄贈されたという。
その後、数十年間も博物館の標本の引き出しにしまわれていたが、今回研究者によってさらに詳しく調べられたそうだ。
そしてアメリカのジョー・バイデン大統領に因み「 Syllipsimopodi bideni」と名付けられた。
吸盤を持つ最古の頭足類
「Syllipsimopodi bideni」は約3億2800万年前に生息していたと考えられ、コウモリイカやコウモリタコなどの、最も古い祖先だと考えられている。(タコやイカに分化する前の祖先とも考えられている)
このタコは10本の腕を持ち、各腕に吸盤があり、最古の頭足類であると考えられ、化石には墨の袋まで保存されていたという。
ニューヨークのアメリカ自然史博物館の古生物学者であるクリストファー・ウォーレン氏は、この化石が博物館の中で長い間眠っていたが、偶然腕に吸盤があることを知ったため、たまたまその重要性に気づいたと語っている。
ウォーレン氏は、アメリカ自然史博物館の名誉学芸員であるニール・ランドマン氏とともに3月8日、この新種についての研究成果を学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」において発表した。
バイデン大統領の名前に因んだのは、「気候変動に対処し、科学研究に資金を提供するという大統領の計画に勇気づけられたから」と述べている。
ちなみに現代に生息しているコウモリダコは、やはりイカではなく、タコの親戚に近いと考えられており、8本の腕と2本の筋状の触手(フィラメント)を持っているという。(了)
出典元:The Guardian:Joe Biden is a fossil: 328m-year-old vampire squid named after president(3/9)