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3800年前にチリでM9.5の巨大地震、最大20mの津波に襲われていた

3800年前にチリでM9.5の巨大地震、最大20mの津波に襲われていた
flickr_Forest Service Alaska Region, USDA

今から約3800年前に、南米で巨大な地震が発生していた可能性が、長年の研究によって明らかにされた。

 

津波が砂漠の海岸線を襲う

 

4月6日に科学誌「Science Advances」に掲載された研究によれば、約3800年前に南米チリ北部の沖合で、マグニチュード9.5の巨大地震が発生したと考えられるという。

 

この地震に伴って発生した津波は、15から20メートルにも達し、アタカマ砂漠の海岸線を襲ったと推定されるそうだ。

 

この研究は、チリ大学の学者を中心として7年に渡って行われ、巨大地震はナスカと南米の構造プレートの衝突によって起きたと考えられている。

 

「リスク評価する必要がある」

 

この研究のリーダーの一人である地質学者のガブリエル・イーストン氏は、次のように述べている。

 

「アントファガスタ地方とチリ北部の海岸沿いには、一般に、現在の海面から4〜7メートルの高さにある古代の海岸があり、その形成は地球規模の海面変動では説明できず、大地震の結果としての構造的隆起によるものです」

 

イーストン氏は、チリ北部でこの規模の地震や津波が発生する可能性を、危険度やリスク評価する必要があると強調している。

 

環太平洋火山帯に位置する

 

チリはいわゆる「環太平洋火山帯」に位置し、太平洋を横切る地震活動地帯とされている。そこでは地殻の異なるプレートが交わっており、甚大な被害をもたらす地震の歴史が長いという。

 

実際、この付近では2010年にはマグニチュード8.8の地震が発生。津波が押し寄せ、南部の海岸沿いの町に壊滅的な被害をもたらし、数百人の犠牲者を出したそうだ。

 

考古学者のディエゴ・サラザール氏は、約3800年前の地震について「我々が立てた仮説では、この出来事(地震や津波)によって非常に多くの死者が発生したか、あるいはかなりの数の人々が他の土地に移住するようになった可能性があります」と述べている。(了)

 

出典元:REUTERS:Some 3,800 years ago, a mega earthquake, tsunami hit Chile’s Atacama desert(4/7)

出典元:PHYS ORG:Megathrust earthquake and tsunami 3,800 years ago kept hunter-gathers in Chile inland for 1,000 years(4/7)

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