パーキンソン病に関する新たな研究が進行中、睡眠障害が関連している可能性
アメリカで、パーキンソン病と睡眠障害との関連を確かめる研究が行われ、治療や予防に期待が寄せられている。
パーキンソン病とは?
この研究を行ったのは、映画俳優・マイケル・J・フォックスさんの財団が資金提供する「パーキンソン病進行マーカーイニシアチブ」の研究者たちだ。
そもそもパーキンソン病とは、脳の領域で運動が制御される病気で、脳内化学物質であるドーパミンを放出する神経細胞が障害を起こし、または死滅することによって発症するという。
そして発症した場合、一般的には、手や腕、脚、頭の震え、筋肉のこわばり、動作の緩慢さ、平衡感覚障害や転倒傾向、嚥下障害、咀嚼障害、皮膚障害などの症状がみられるそうだ。
また運動以外の症状としては、便秘、うつ病、記憶障害などがあると言われている。
最大41%が睡眠行動障害
そして今までの複数の研究によれば、パーキンソン病の患者、最大41%が診断前にレム睡眠行動障害(RBD)を経験し、そのうちの65〜75%が男性であることが判明しているという。
研究者は、パーキンソン病とRBDの具体的な関連性が明らかになることで、パーキンソン病についてより深く知ることができると期待しているそうだ。
「マイケル・J・フォックス財団」の医療コミュニケーション部門・Rachel Dolhun医師は、今回の研究がパーキンソン病の治療と予防に向けた第一歩であるとした上で、次のように述べている。
「RBDと共に生きる人々は、パーキンソン病が非常に早い時期からどのように、そしてなぜ発症するのか、を研究者が理解するのを助けてくれます。その治療法への到達、さらには病気の予防に取り組むことができるのです」
睡眠障害後に、パーキンソンと診断された患者
現在、アメリカでは100万人がパーキンソン病にかかっていると言われている。
そんな患者の1人であるゲイリー・ラファロフさんも、睡眠の問題に何年も悩まされた後、10年前にパーキンソン病と診断されたという。
彼は睡眠中、夢の中で奇妙な音を立てたり、激しく暴れながら目を覚ましたりしてきたそうだ。
ラファロフさんは、長年の睡眠の問題から、パーキンソン病と診断されたことは衝撃的だったとし、次のように語っている。
「最初に診断された時は、パーキンソン病についてよく知らなかったので、もちろん、そんなことを聞いたら最悪だと思うでしょう。そして、余命がどうなるのか、人生がどうなるのか、まったく想像がつきませんでした」
10~20%の人は50代で発病
パーキンソン病は、ほとんどの人が60歳前後で初めてを発症するが、約10~20%の人は50歳以前に早期発症のパーキンソン病を経験すると言われている。
また米国国立衛生研究所(NIH)によると、パーキンソン病の診断のための血液検査や臨床検査がないため、医師は通常、病歴と神経学的検査によってパーキンソン病を診断するという。(了)
出典元:GMA:New research reveals sleep disorder may be linked to Parkinson’s(4/27)