トンガの火山噴火、これまでで最も巨大な爆発だったことが判明
今年1月に南太平洋のトンガにある海底火山が噴火したが、これまでで最大の爆発が大気中で起きていたことが明らかになった。
計測された記録では最大級
1月15日に発生した、トンガの海底火山「フンガ・トンガ・ハアパイ」の大噴火について、今回、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の科学者たちが調査を行ったという。
彼らは、包括的核実験禁止条約(CTBT)の順守を監視するために設置された、世界的な探知機ネットワークのデータを分析。
その結果、トンガの海底火山の噴火は、近代的な計測器で記録された最も大きな大気中の爆発を伴っていたことが明らかになったという。
しかも第二次世界大戦後に行われた、どの核実験よりもはるかに大きな爆発だったことが判明したそうだ。
Acid rain could be the next threat Tongan 🇹🇴 residents face in the coming days after the volcanic eruption wreaked havoc on the island yesterday. pic.twitter.com/WiYGiRQUje
— Jese Tuisinu (@JTuisinu) January 15, 2022
史上最大の核爆発に匹敵する圧力波
今回、研究者らが分析した探知機ネットワークのデータでは、トンガの火山爆発が、史上最大の核爆発(1961年にソビエトが爆発させたツァーリ爆弾)に匹敵する大気の圧力波を発生させ、その持続時間は4倍であることが示されていたという。
しかも爆発当時には、数種類の大気の圧力波が長距離に伝搬し、可聴域の周波数では、1万キロメートル離れたアラスカで、繰り返しブームが聞こえたと報告されているそうだ。
また大気中のエネルギー波で、惑星の表面に沿って音速で伝搬するラム波のパルスは、噴火発生後、少なくとも4回地球を一周したことが確認されているという。
トンガから1万6500km離れたイギリスでは、噴火が発生してから約14時間後の15日の夕方からこれらのパルスが届き始めたと言われている。
20世紀のどの火山現象よりも大規模
またトンガの噴火は20世紀のどの火山現象よりもはるかに大きなもので、1883年にインドネシアで起きた「クラカトア噴火」だけが、トンガで発生した大気の乱れに匹敵するものであったと考えられている。
「クラカトア噴火」では、3万人以上の命が奪われたと見積もられているが、トンガの海底火山の大噴火では、大きな津波をもたらしたものの、死者はほとんど出なかったという。(了)
出典元:BBC:Tonga eruption was ‘record atmospheric explosion’(5/15)