NASAの探査機を小惑星に衝突させるミッション、軌道を変えさせることに成功
NASAは、探査機が小惑星に衝突して、軌道を変えさせることができたと明らかにした。
小惑星の衝突から地球を守るミッション
このミッションは「DART(Double Asteroid Redirection Testの略)」と呼ばれ、地球を小惑星の衝突から守るために、探査機により軌道を変えられるかどうかを試したものだ。
このためNASAは2020年11月に「DART探査機」を打ち上げ、「Dimorphos」と呼ばれる小惑星への意図的な衝突を試みた。
そして10月11日、NASAは「DART探査機」が「Dimorphos」に衝突し、その軌道を変更することに成功したと明らかにした。
NASAのビル・ネルソン長官は声明の中で、「私たちは皆、故郷の地球を守る責任があります。結局のところ、それ(軌道を変えさせること)は我々が持っている唯一のものなのです。惑星防衛と全人類にとっての分岐点となる瞬間です。NASAは、我々が地球の防衛者として真剣であることを証明しました」
9月26日に小惑星に衝突
「Dimorphos」はより大きな小惑星「Didymos」を周回しており、「DART探査機」は、9月26日に「Dimorphos」に衝突したという。
この2つの小惑星は地球から650万マイル(約1046万km)以上離れており、「Dimorphos」は11時間55分かけて「Didymos」の周りを公転していたそうだ。
そして今回、天文学者は地上の望遠鏡を使って、「DART探査機」の衝突によって「Dimorphos」の軌道が32分短縮され、11時間23分になったことを確認した。(NASAによると、プラスマイナス2分程度の不確実性があるという)。
また「DART探査機」の衝突前後も、地球にとって脅威となる出来事は起きなかったそうだ。
天文学者らは、現在もこの衝突の余波をまだ研究しており、特に「DART探査機」が時速1万4000マイルで「Dimorphos」に正面衝突した時に、2つの天体の間でどれだけのエネルギーや運動量が伝達されたかを測定することに重点を置いている。
またNASAの関係者によると、科学者たちは衝突によって生じた何トンもの岩石や破片にも注目しているという。(了)
出典元:NBC:NASA says it successfully changed asteroid’s path in test of planetary defense(10/12)