国立天文台

日本のメディアでも話題になっているアメリカ中間選挙。11月8日のその日、現地で投票が開始される数時間前に皆既月食が起こり、満月が赤銅色に変わる。欧米で「ブラッドムーン」と呼ばれるこの月は、よくないことが起こる前兆とも言われている。

皆既月食で月が赤黒く

「ブラッドムーン」は、皆既月食で地球の影に入ってしまった満月が、赤黒く見えるという現象。この時、太陽、地球、月は（この順番で）一直線に並んでおり、いつもなら月に到達している太陽光が、地球に遮られて、月まで届かなくなってしまう。

それでも月が真っ暗にならないのは、地球の大気で屈折したわずかな太陽光が、少しは月に届いているからだ。この、屈折した光というのは、波長の長い赤い光線だけ（青い光線は逆に拡散してしまう）。なので、それを浴びた月は赤黒い赤銅色に見える。（国立天文台のサイトより）

アメリカでは、8日の選挙が開始される少し前、現地時間の早朝5時30分前後にこれが起こる。イギリスのメディアMailOnlineはこの偶然を、「An omen? (前兆／前ぶれ／神のお告げか？）」と報じている。

日本でも見れる

この皆既月食（ブラッドムーン）は、日本でも11月8日の夜に見ることができる。国立天文台が発表している予報を下に引用しておこう。

月は、18時9分から欠け始め、19時16分に皆既食となります。皆既となった月は、「赤銅色（しゃくどういろ）」と呼ばれる、赤黒い色に見えます。皆既食は86分間続いて20時42分に終わり、その後は徐々に月は地球の影から抜けて、21時49分に部分食が終わります。この進行は、どこで見ても同じです。

また、これはちょっとマニアックかも知れないが、今回の皆既月食では、月が天王星を隠す「天王星食」が同時に起こるのだそう。天王星は肉眼では見づらいので、双眼鏡や望遠鏡などで見るといいらしい。（日本各地での開始、終了時刻の予報が、前出の月食の予報ページにある）

アメリカ中間選挙は共和党の圧勝、などという話も耳にするが、投票箱を開けてみるまで結果はわからない。ブラッドムーンが暗示するような、何かが起こるのだろうか……（了）

出典元：MailOnline:An omen? Rare lunar eclipse will create blood red moon on Election Day next Tuesday — and it will be the last for the next three years(11/4)

出典元：The Washington Post: A total lunar eclipse will turn the moon blood red on Election Day(11/4)