世界最古のルーンストーンを発見、約2000年前の文字が刻まれる
ノルウェーの考古学者が、約2000年前のものと思われるルーンストーンを発見した。
初期のルーン文字が刻まれる
ルーンストーンとは、ルーン文字が刻まれた石のことで、この文字はラテン語のアルファベットが採用されるまで、北欧で使われていたゲルマン諸語の古い文字体系とされている。
オスロ文化歴史博物館は1月17日、世界最古のルーンストーンを発見し、そこには最も初期のルーン文字が刻まれていたと発表した。
石は平らで四角く、茶色がかった砂岩とされ、そこに刻まれた文字は、スカンジナビアで記録された言葉の最古の例と考えられるという。
オスロ文化歴史博物館は、「これは、今までに発見された最古のルーン文字の一つ」であり、「世界で最も古い、年代測定可能なルーンストーンである」と述べている。
紀元後1年から250年に刻まれた可能性
このルーストーンは2021年末、ノルウェーの首都・オスロの西にあるティリフヨルド付近の墓を発掘している最中に発見されたという。
石は当時の火葬場で発見されており、そこにあった焼けた骨と木炭を分析した結果、ルーン文字がAD1年からAD250年の間に刻まれた可能性が高いことが示されたそうだ。
石の大きさは31cm x 32cm。そこにはいくつかのタイプの刻字があり、すべてが言語学的に意味をなしていたわけではない。
ただ石の前面にある8つのルーン文字には 「idiberug」と書かれており、これは女性、男性、家族の名前である可能性があるという。
石に文字が刻まれた最初の試みか?
これまでにも古いルーン文字は発見されているが、石に刻まれてはいなかったという。
最も古いルーン文字は、デンマークで発見された骨の櫛から見つかっており、おそらくナイフか針の先でルーン文字を刻んだと考えられている。
今回発見されたルーンストーンは、見つかった場所にちなんでスヴィンゲルード石と名付けられ、まだ多くの研究が続けられているそうだ。オスロ文化歴史博物館に所属する、オスロ大学のクリステル・ジルマー教授は、次のように述べている。
「この発見によって、初期鉄器時代におけるルーン文字の使用について、多くの知識を得ることができるでしょう。これは、ノルウェーとスカンジナビアで、石にルーン文字を使った最初の試みの1つかもしれません」(了)
出典元:The Guardian:World’s oldest runestone found in Norway, archaeologists say(1/17)