Switch news

知っておきたい世界のニュース

【動画】コロナの後遺症に苦しんだ女性、2年ぶりに味覚と嗅覚を取り戻す

【動画】コロナの後遺症に苦しんだ女性、2年ぶりに味覚と嗅覚を取り戻す
Cleveland Clinicのプレスリリース

マスクの着用は個人の判断に任されることになり、海外からの観光客も増えてきた。3年間猛威を振るった感染症から日常を取り戻しつつあるが、コロナの後遺症に苦しむ人にとっては、まだ過去のものとは言えないようだ。

 

コロナの後遺症で「食べ物はすべてゴミの味」

 

ジェニファー・ヘンダーソンさん(54歳)は、2021年1月に新型コロナに感染した女性だ。感染後、頭痛や倦怠感などの後遺症は1週間ほどで軽快したが、ある後遺症だけは2年間彼女を悩ませた。それは、味覚と嗅覚の消失だ。

 

もともと料理や夫と食べ歩くのが好きだったという彼女だが、この2年間は全く楽しめなかったという。「ほぼすべての食べ物がゴミの味で、なんの匂いも感じられなかった」と言う彼女は、友人から外食に誘われても興味が持てなかったそうだ。「食べることが怖かった」と振り返っている。

 

最初の9ヵ月は特に症状が重く、その後はある程度戻ったが、安定しなかったという。

 

バナナは鉄、ガーリックはガソリンの味で、香水や自分が育てている花の香りも感じられなかったそうだ。味覚と嗅覚の消失は、彼女の気持ちを深く沈ませた。

 

ネットである治療方法と出会う

 

助けを求めたネット上の集まりの中で、彼女が望みをかけたのが「stellate ganglion block(SGB:星状神経節ブロック)」という治療方法だ。

 

首の両側にある交感神経系の神経の束である星状神経節に、局所麻酔薬を注射するものだ。脳への血流の増強や、コロナ症状が交感神経系に与える影響を妨げることなどにより、症状が改善されるのではないかと考えられている。

 

治療を受けた直後の様子を公開

 

住んでいるオハイオ州内では、クリーブランド・クリニックが2022年4月から数件の治療実績があることを知ったジェニファーさん。

 

2022年12月、同クリニックにてSGBを受けた直後の様子がこちらだ。

 

@clevelandclinicStruggling with long COVID for two years, Jennifer hasn’t been able to smell. Food tasted like garbage. She heard about pain injections being used as a potential treatment. WATCH the emotional moment she smells coffee after her first injection. More: https://cle.clinic/3ZxWrTm♬ original sound – clevelandclinic

 

コーヒーを受け取った彼女は、匂いを嗅いで感極まり、思わず泣き出してしまっている。動画の最後では、「自分の人生を、そして普通でいることを、取り戻せた」と語った。

 

クリーブランド・クリニックがこの動画を公開すると、リプライには「私は17ヵ月、嗅覚錯誤に苦しんでいる」「私が味覚と嗅覚を失ったのは1週間ほどだけど、本当にひどい経験だった」「2020年から味覚と嗅覚を失っているけど、治療できるなんて知らなかった」「私にもこれが必要」など、同じ悩みを持つ人々から多くの反応が寄せられている。(了)

 

※今回のケースでは症状が改善したようだが、人によって結果が異なる場合もあるため、治療の際には必ず医師に相談をしていただきたい。

 

参考:Cleveland Clinic「Pain Injections Improve Taste And Smell For Patient With Long COVID」(4/3)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top