新種の蝶、『ロード・オブ・ザ・リング』のサウロンに因み、命名される
新種の蝶が発見され、映画に出てくる悪の支配者の名前に因んで、名前が付けられた。
400種以上の蝶を評価
この調査を行ったのはロンドン自然博物館や、アメリカのハーバード大学、フロリダ自然史博物館などの国際的な研究チームだ。
彼らは、10年以上かけて新種の蝶を追跡し、高度なDNA解析技術などを駆使して400種以上の蝶を評価したという。
そして今回、鮮やかなオレンジと漆黒の目のようなマークが特徴的な、2種の蝶を新種と特定。この蝶の「属」を、映画『ロード・オブ・ザ・リング』のサウロンに因んで、「サウロナ」と命名した。
命名した理由とは?
その「サウロナ属」に属する2種の蝶は、「Saurona triangula」と「Saurona aurigera」。
現在、「サウロナ属」の蝶は、この2種しか発見されていない。しかし、野生にはもっと多くの未発見種が存在すると考えられている。
サウロンに因んで命名したことについて、ロンドン自然史博物館のBlanca Huertas氏は、次のように語っている。
「蝶は生息地の減少によって大きな圧力にさらされており、蝶の寿命が尽きる前に新種を発見し、研究する必要があります。珍しい名前をつけることで、今日、世界中で本当に困っている蝶に何が起きているのか、注意を喚起することができます」
イギリスでは、全ての蝶の4分の3が減少していると言われており、世界中でも、生息地の破壊、農薬、気候変動の加速などにより、蝶は同様に脅かされているという。
サウロンの名がつけられたのは、蝶にとっては初めてのことだが、他の動物にとってはそうではない。
これまでにも、ダンゴムシ、カエル、恐竜に同様の名前が付けられているそうだ。(了)
出典元:The Guardian:‘Rimmed with fire’: rare butterfly genus named after Sauron in Lord of the Rings(5/7)