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シャチが連携して船を襲撃、仲間に教えている可能性

シャチが連携して船を襲撃、仲間に教えている可能性
YouTube/SWNS

先日、シャチに攻撃されたヨットが沈没したが、仲間と連携して危害を加えた可能性が指摘されている。

 

シャチがヨットの舵を攻撃

 

5月4日の夜、ジブラルタル海峡を航行していた「シャンパーニュ」という名のスイスのヨットが、3頭のシャチに襲われたという。

 

この時、シャチたちはヨットの舵を攻撃。結果的に、乗組員はヨットを放棄せざるを得なくなり、最終的に沈没したそうだ。

 

また5月22日にも、ジブラルタル海峡に近いスパルテル岬の海岸を航行中の船(大きさは約8m)が、シャチの群れに襲われた。

 

この時、6頭のシャチ(2頭が非常に大きな大人、4頭は比較的小柄)が現れ、やはり船の舵を攻撃したという。(下の動画は、モロッコ沖で撮影された別の映像)

 

1頭のシャチから始まった可能性

 

学術誌「Marine Mammal Science」に掲載された研究によると、攻撃的な事件が起き始めた2020年には、少なくとも15件の人間・シャチの事件が記録されているという。

 

それらの攻撃の多くには、シャチがヨットの舵に噛みつき、体当たりするものが含まれていたが、一連の攻撃による死傷者は報告されていない。

 

ただ科学者たちは、シャチの攻撃性が増していることについて、「White Gladis」と名付けられたメスのシャチが最初に攻撃を始めたのかもしれない、と考えている。

 

「White Gladis」と呼ばれるシャチは以前、船との衝突など、重大な事故に遭遇したと考えられており、その際にかなり苦しんだ可能性があるという。

 

このため船が航行する際、行動のスイッチが入って攻撃。それを他のシャチも真似をし、学んだのではないか、と考えられている。

 

「高度な学習能力」を持つシャチ

 

そもそもシャチには「高度な学習能力」があり、特に(行動の)模倣が重要であることが判明しているという。

 

ただし2020年以降に記録された500以上の襲撃事件の中で、沈没した船は3隻のみ。シャチはある場所を航行する100隻のうち、1隻にしか接触していないと推定されている。(了)

 

出典元:ABC News:Killer whales learn ‘coordinated’ attacks on sailboats, some observers say(5/24)

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