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中国CDCの前所長、「新型コロナの実験室流出説を除外すべきではない」

中国CDCの前所長、「新型コロナの実験室流出説を除外すべきではない」
Twitter/Afrah Shah

新型コロナウイルスの起源について、中国の疾病予防管理センター(CDC)の前所長が見解を示した。

 

中国側も流出説を調査していた

 

中国疾病予防管理センターの前所長であるGeorge Gao氏は、新型コロナの起源に関し、「実験室流出説を除外(排除)すべきではない」と述べたという

 

またGao氏は、中国政府の別の部門が研究所からの流出説を調査したと述べ、何らかの公式調査が行われたことを初めて認めたそうだ

 

しかしその調査では、研究所での不正行為などは発見できなかったと述べている。

 

調査の最前線にいた人物

 

Gao氏は、国際的に著名なウイルス学者で、2022年7月までCDCのトップを務めており、新型コロナの起源に関する中国側の調査の最前線にいたという。

 

新型コロナは、2019年12月に中国中部の都市である武漢で初めて検出された。

 

そして現在も数多くの研究が、生きた動物が売られていた武漢の海鮮市場から、このウイルスが出現した可能性が高いと指摘している。

 

しかし蔓延当初は、コロナウイルスを研究する研究施設「武漢ウイルス研究所」から、ウイルスが流出したのではないかという説が浮上していた。

 

ただ中国政府は、この「実験室流出説」を「虚偽であり、誤りである」とし、強く否定し続けてきた。

 

Twitter/Afrah Shah

「政治が起源の理解を妨げた」

 

2021年3月、世界保健機関(WHO)の研究チームは武漢を訪問。調査の結果、研究室からの流出説は「極めてあり得ない」と結論付けたという。

 

しかし、その調査は中国政府によって妨害され、その後、調査の第2段階は放棄されたそうだ。

 

WHOの疫学者であるMaria Van Kerkhove氏は、2月に「Nature」誌において「世界中の政治が、起源を理解するための進歩を妨げた」と述べている。

 

米情報機関も「流出説」を否定

 

一方、アメリカのジョー・バイデン大統領は2021年5月、「流出説」について情報機関に調査を命じたという。

 

その結果、多くの情報機関は「流出説」の可能性を否定。アメリカのエネルギー省だけが、報告書で、ウイルスは実験室の漏えいから発生した可能性が最も高いと指摘した。

 

今回、Gao氏はBBCの取材に対し、次のように述べている。

 

「いつでも何でも疑うことができる。それが科学だ。何も除外してはいけない。我々は本当にウイルスがどこから来たのか分からない。疑問はまだ残っている」(了)

 

出典元:The Guardian:Covid lab leak theory should not be ruled out, top Chinese scientist says(5/30)

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